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フィギュア スケート コラム 2012年4月24日

世界フィギュアスケート国別対抗戦2012 レビュー

フィギュア通信 by 田村 明子
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4月19日から代々木第一体育館で開催されていた、フィギュアスケート国別対抗戦で日本チームが、みごと初優勝を果たした。今回で開催二回目のこの大会は、世界選手権などの成績から上位6か国が選ばれ、男女シングル各2名、ペアとアイスダンスはそれぞれ1組が国を代表して競い合う形式のもの。2014年ソチ五輪から団体戦が加わることが決定されたため、この大会も大きな注目を浴びた。

【写真左】試合前日会見  【写真右】初日の会見

今年選出したのは、日本、米国、カナダ、フランス、イタリア、ロシアの6か国。3年前の初回とほぼ同じメンバーだが、中国が選抜から漏れて代わりにイタリアが入った。初回は米国が優勝し、カナダが2位、日本が3位という成績だった。

本大会では4種目中男女シングルとアイスダンスの3種目で現世界チャンピオンが出場したが、興味深いことにその全員がトップを譲るという結果となった。

男子は、SPで高橋大輔が4回転など完璧な演技を見せて、94.00というISU史上最高スコアを叩き出し、1位に立った。氷の上を埋め尽くした花束回収も追いつかない中、次に滑るチャンが登場。やはりプレッシャーがあったのか、3アクセルで転倒して2位に。小塚崇彦は4回転と3ルッツで転倒して、12人中8位という厳しいスタートになった。

フリーでも高橋は4回転と3アクセルを2度成功させるなど、ノーミスのすばらしい演技を見せた。チャンは精神的に圧倒されたのか、2度目の4回転が回転不足となって転倒するなど、普段の彼よりもメジャーなミスがあった。連勝を続けてきたチャンだったが、2年ぶりに優勝を逃して2位に留まった。フランス勢も健闘し、ブライアン・ジュベールが総合3位、フローラン・アモディオが4位に。小塚は総合6位だった。

女子SPは、12人中10人が3+3に挑み、そのうち7人が成功というハイレベルな戦いとなった。中でもトップ3人は安定した滑りを見せて、カロリナ・コストナー、鈴木明子、村上佳菜子の順でフリーに挑むこととなった。鈴木明子は前半よく流れにのった滑りを見せていたが、後半でルッツが2回転になり、次のループが1回転になってフリーは2位。だが総合ではジャンプミスの出たカロリナ・コストナーを上回り、逆転して1位となった。「順位は嬉しいけれど、悔しい気持ちのほうが大きい。シーズン最後にいい演技をしたかった」と、順位よりも内容にこだわった。総合3位はフリー「ブラックスワン」で素晴らしい演技を見せ、フリー1位だったアシュリー・ワグナー。村上佳菜子はジャンプでミスが続いて、総合6位だった。

ペアでは高橋成美&マーヴィン・トランがSPでノーミスの演技を滑り、1位にたった。だがフリーでは3サルコウで2人とも転倒するなどのミスが出て、総合3位。ロシアのバザロワ&ラリオノフが代わりにトップに上がり、カナダのデュハメル&ラドフォードが総合2位だった。

アイスダンスは、米国のデイビス&ホワイトが気迫こもったラテンのショートダンスを滑ってトップにたち、フリーでもヴァーチュー&モイアの逆転を許さずに1位を保った。「ニースでは演技には満足していたが、結果には不満だった。だからここでもう一度、自分たちの実力を証明したかった」と会見に現れたホワイトは満足そうに語った。2位だったヴァーチュー&モイアは、「いい演技ができたと思う。結果には少しびっくりしたけれど、フィギュアスケートの勝負ではこういうこともある」とコメント。3位は、安定した演技を見せたペシャラ&ブルザだった。今季怪我で苦しんだリード&リードは最後まで大きなミスなく滑りきり、6位だった。

【写真】メダリストチームキャプテン会見

男女とも1位を手にした日本が優勝、アイスダンス1位、女子3位だった米国が2位、男子、ペア、アイスダンスでそれぞれ2位だったカナダが3位という順位となった。フランス4位、ロシア5位、イタリア6位だった。日本チームのキャプテンを務めた高橋大輔は、「チームキャプテンの役割を果たせたかどうかわからないけれど、自分の滑りはできたと思う。自分の自信を取り戻せたシーズンになりました」と笑顔で語った。

ちなみに、各国の応援ブースで繰り広げられた応援合戦はフランス、イタリアのラテン諸国が圧倒的にノリがよく、土曜の夜に行われたバンケットではフランスチームに「応援大賞」が贈られたそうである。

代替画像

田村 明子

盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。

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