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12月3日から東京の代々木第一体育館で開催されたGPファイナルで、今季のGPシリーズも終了した。
男子SPは6人中4人がノーミスという充実した試合だった。中でもトップに立った高橋大輔の「eye」は、ラテンリズムに合わせて最後まで音楽をよく表現し、見ごたえがあって圧巻だった。エヴァン・ライサチェックの「火の鳥」もまた、高い技術を見せながら音楽を最後まできちんと表現した迫力あるプログラムで、二人の点差はわずか0.10だった。
だがフリーでは、6人中4回転に挑んだ3人が表彰台を逃すという興味深い結果となった。高橋は最初の4回転で氷の上に激しく叩きつけられ、その後懸命に持ち直そうとしている様子が見てとれたが、結局彼本来の力を見せることができずに総合5位に終わった。今季のファイナルを制したのは、SP、フリーともにきっちり演技をまとめて249.45を獲得した世界王者のエヴァン・ライサチェックだった。端正なジャンプで安定した演技を見せた織田信成が243.36で2位、SP、フリーともにノーミスの演技で237.35を得たジョニー・ウイアーが昨年度に続いてGPファイナル3位となった。興味深いことに、2006年と2007年の高橋大輔、2008年の小塚崇彦に続いて日本男子がGPファイナル銀メダルを手にしたのは、これで4年目となる。これだけの実力者が揃っているのだから、そろそろ表彰台の真ん中に立ってもらいたいと願うのは、贅沢な望みだろうか。
女子はキム・ヨナが2年ぶりに、3度目の優勝を果たした。SPではフリップを失敗して2位という予想外のスタートだったが、フリーは無難にまとめて188.86を獲得した。安藤美姫はSP、フリーともに比較的安定した演技を見せて185.94で総合2位。5度目のファイナル進出で初のメダルを手にした。鈴木明子は、フリーで3回転ジャンプを7回成功させて、174.00で総合3位。シニアGP初出場で初メダルの快挙をとげた。
アイスダンスは米国のデイビス&ホワイトがカナダのヴァーチュー&モイアを振り切って初優勝。ペアは3年ぶりにアマチュア復帰してきた申&趙が、独走優勝を果たした。
日本スケート連盟は、かねてから発表していたようにGPファイナルの表彰台に到達したうちの最上位の日本選手、織田信成と安藤美姫に五輪出場内定を与えた。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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