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今季のスケートアメリカは初出場のジョニー・ウイアーと、ライバルのエヴァン・ライサチェックの二人の米国男子の対決が注目されていた。だが接戦の末にベテラン二人を振り切ってGP初優勝を果たしたのは、19歳の小塚崇彦だった。
SPでは迫力のある「ボレロ」を滑ったライサチェックが1位、わずかにフリップでミスをしたウイアーが2位、ノーミスだった小塚が僅差で3位という、予想通りのスタートだった。ところがフリーでは「ロミオとジュリエット」で4回転こそ失敗したが、8回の3回転ジャンプを降りた小塚が総合226.18と高得点を叩き出した。ウイアーは同じく3回転を8回成功させたが、コンビネーションジャンプが2回のみになり225.20で2位。ライサチェックは二度目の3アクセルが回転不足と判定されたことが響いて総合223.21で3位に終わった。
小塚は2006年の世界ジュニアチャンピオンとはいえ、シニア男子としてはまだ若手である。その彼が大きなミスもなかった過去の世界銅メダリスト二人に勝つことが出来たのは、実績や選手の格が大きく影響を与えていた旧採点方式では考えられないことだ。スケート技術の高さ、技の正確さが厳しく判定されて数値となって評価される新採点方式だからこそ、出た結果といえるだろう。
女子では予想通り、キム・ヨナが独走優勝を果たした。日本の女子二人はフリーでは華やかな「ジゼル」の戦いを繰り広げ、第一ラウンドであるこの大会で勝利を収めたのは中野友加里だった。安藤美姫はジャンプはノーミスだったが、コンポーネントのポイントが伸びずに3位となった。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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