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ラグビー コラム 2023年8月21日

【RWC2023出場国紹介:ウルグアイ】アメリカ地区1位としての登場。 強豪ひしめくプールAで3位に食い込めるか

ラグビーW杯2023出場国紹介 by 村上 晃一
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ホスト国フランス、過去3度の優勝を誇るニュージーランド、シックスネーションズの一角イタリアと同じプールAに入った。決勝トーナメント進出は険しい道のりだが、ウルグアイは近年めきめきと力をつけている。感動的な試合を見せてくれるだろう。日本のラグビーファンの記憶に新しいのは、2022年6月に来日して日本代表と戦った2試合、そして、2019年ラグビーワールドカップ(RWC)でフィジーを破った試合だろう。釜石鵜住居復興スタジアムで国歌を情熱的に歌い上げ、格上のフィジーに対して粘り強く守り、ぎりぎりのパスをつないで、30-27で強豪国からの初勝利。2022年の来日時は、15-34、7-43で日本代表に敗れているが、あきらめずにディフェンスする姿は健在だった。今大会はアメリカ地区1位としての参加で、下位のナミビアには必勝。そして、波乱を起こしたい。

ウルグアイのラグビーは、19世紀後期に行われていたという記録があるが、国際舞台に出てきたのは20世紀半ばだ。ラグビー協会の創立は1951年。代表チームのエンブレムは、テロ(国鳥のナンベイタゲリ)で、チームの愛称は「ロス・テロス」。RWCでは、1999年の第4回大会から出場し、2019年大会まで4大会に出場、いずれもプール戦で敗退している。今大会は3大会連続5回目の出場となる。ヘッドコーチは、アルゼンチン出身のエステバン・メネセス(51歳)。RWC2015終了後からチームを率いている。

RWC2023フランス大会の南北アメリカ地区予選では、2021年10月、プレーオフ第1戦でアメリカと戦い、16-19で敗れたが、第2戦で34-15と勝利し総得点で上回って初のアメリカ地区1位の座を勝ち取った。現在のアメリカ地区ではアルゼンチンが図抜けた実力だが、2019年大会の戦績でフランス大会の出場権は得ており、アルゼンチンを除いて予選が行われていた。かつてはアルゼンチンに加えて北米のアメリカ、カナダがアメリカ大陸のラグビーをけん引していたが、近年はウルグアイ、チリなど南米勢のレベルアップが目立つ。

 

原動力となったのが、2020年に発足した南米版のスーパーラグビー「スーパーリーガ・アメリカーナ・デ・ラグビー(SLAR)」発足だ。初年度はウルグアイ、アルゼンチン、チリ、ブラジル、パラグアイで行われ、2年目からはコロンビアも加わった。2023年からは、アメリカのチームも加わり、コロンビアは脱退。「スーペル・ラグビー・アメリカス(SRA)」として生まれ変わっている。ウルグアイはペニャロール・ラグビーというチームで参加しており、現在の代表チームの大半はこのチーム所属だ。

SOフェリペ・エチェベリ―は精度の高いパス、キック、プレースキックでチームに軸になる。2019年のフィジー戦勝利で活躍した運動量豊富なFLサンティアゴ・シベッタも健在。フランスのクラブでプレーするHOヘルマン・ケスレルは3度目のRWCだ。キャプテンはペニャロールでの先頭に立つアンドレス・ビラセカ。186cm、96kg。堅実なプレーが光るCTBだ。ウルグアイは、RWC2023に向けて、7月30日にチリ(26-25)、8月6日にナミビア(26-18)、8月19日にアルゼンチンフィフティーンに33-13といずれも勝利している。上位陣にどんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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