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グビー 全国大学選手権 22/23
【ハイライト動画】準々決勝 筑波大学 vs. 東海大学
嶋崎監督は「(楢本)幹志朗が右サイドまで来ていたことには驚いた。こういうつなぎ方ができるのだと感心した」と1年生の働きを称えていた。東海大戦では楢本の的確な選択や濱島の思い切りの良い走りが、何度もチームに勢いをもたらした。ルーキーの躍動は準決勝でも注目したい。
2つ目は嶋崎監督が「狙っていたプレーだった」と話す後半30分ごろの攻撃だ。筑波大は右から左に展開する中でLO(ロック)八木澤龍翔(4年・流経大柏)が木原にオフロード。木原も相手選手を引きずりながら濱島にパス。濱島はステップで相手をかわしてゴール前まで迫った(最後は東海大FB/フルバック谷口宜顕の好タックルに阻まれた)。
この場面で圧倒されたのは、筑波の選手たちが相手の強烈なタックルを受けながらも、前進してボールをつないでいく姿だ。実は昨季の対抗戦で6位に終わり選手権を逃したあと、嶋崎監督は「できることは何でもやる」と、新しいメニューを考案していた。そのひとつが授業後(夕方)のグラウンド練習とは別に行う、道場での練習だった。
40分ほどの朝練を設け、様々な局面を想定したコンタクトプレーの練習に励む。強豪校とぶつかっても引かない身体づくりと、コンタクトエリアでの動作を見直すためだ。一度に練習する人数を20人ほどに制限したことで、嶋崎監督は選手1人ひとりに課題点などをフィードバックすることができた。この練習を新チームが始動して間もない2月から9月末まで週に1回、長期休みは週に2回続けたという。
嶋崎監督は「これまでやってきたことが、やっと芽を出してきた」と安堵の表情。「リスクを負ってでも攻撃的に行く。対抗戦の序盤はエラーも多かったが、最近はうまくいくことの方が多くなってきた」と続けた。絶対的なコンタクト力で連覇を狙う帝京大に対しても、臆することなく鍛錬の成果を見せてほしい。
攻守ともに前に出てチームを率いた松島
そして最後に筆者からもうひとつ。最後の選手権となる4年生のプレーに注目したい。東海大戦では後半35分に木原主将が意地のトライを見せた。試合終了間際に木原主将やHO(フッカー)肥田晃季(4年・中部大春日丘)が見せたカウンターラックには、嶋崎監督も「よくあの時間にやったと思う。すごい」とうなった。八木澤やFL(フランカー)楢本鼓太朗(修猷館)、CTB(センター)松島聡(大分舞鶴)の身体を張ったボール奪取の場面も多く見られた。
木原主将は「目標は日本一。次も真っ向勝負していきたい」と意気込む。「チームを勝利に導く」4年生の気迫あるプレーで、2014年以来の決勝進出を叶えてほしい。
文:車谷郁実(筑波大学新聞)/写真:筑波大学ラグビー部提供
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