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東海大大阪仰星と戦う大分東明の浦山主将
12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場で始まった「花園」こと、全国高校ラグビー大会。30日は2回戦16試合が行われ、いよいよ強豪のシード13校(Aシード2校、Bシード11校)も登場する
◆第1グラウンド(★:Aシード ☆:Bシード)
09:30 報徳学園(兵庫★)vs. 高鍋(宮崎)
10:45 岐阜工業vs. 佐賀工業(佐賀☆)
12:00 東海大大阪仰星(大阪第3☆)vs. 大分東明(大分)
13:15 石見智翠館(島根)vs. 黒沢尻北(岩手)
14:30 大阪桐蔭(大阪第2☆)vs. 目黒学院(東京第2)
15:45 開志国際(新潟)vs. 東福岡(福岡★)
第1グラウンドでは9:30から6試合が行われる。第1試合はAシードの報徳学園(兵庫)に高鍋(宮崎)が挑む。史上4校目の「3冠」を目指す報徳学園は、夏の7人制大会MVPのSO(スタンドオフ)伊藤利江人(3年)を中心に高校日本代表候補8人を擁し、攻撃力に長けたチームだ。高鍋は1回戦で倉吉東(鳥取)を展開ラグビーで、66-0と下した。テンポのいいアタックで優勝候補にチャレンジしたい。
モールで相手を崩す佐賀工業
10:45からはBシードの佐賀工業(佐賀)に岐阜工業(岐阜)が挑む。昨季の花園ベスト8、春の選抜でもベスト4に入った佐賀工業は調子も上向きだ。佐賀工業は4人が身長190cmを超える大型FW(フォワード)がおり、BK(バックス)もタレントが揃う。セットプレーからテンポを掴みたい。1回戦で高知中央(高知)を38-15で下した岐阜工業は、FWで対抗してチャンスを作りたい。
12:00からは昨季王者、Bシードの東海大大阪仰星(大阪第3)と大分東明(大分)が激突する。昨季、スタンディングラグビーと判断力で、6回目の花園優勝を果たした東海大大阪仰星。春の選抜大会はベスト8だったが、ワールドユースでは優勝を飾っている。PR(プロップ)石原捷聖、主将のFL(フランカー)松沼寛治、FB(フルバック)増山将(いずれも3年)ら、昨季の優勝メンバーを軸に連覇を目指す。
一方、1回戦で高松北(高松)に20トライで130-0と圧倒した大分東明は、主将のCTB(センター)浦山丈、NO8(ナンバーエイト)ダウナカマカマ・カイサ、CTBナブラギ・エロニら5人の高校日本代表を擁する強力なチームだ。2回戦屈指の好カードとなるだろう。
13:15からは石見智翠館(島根)と黒沢尻北(岩手)が対戦する。6トライを挙げ、34-7と立命館慶祥(南北海道)を下した石見智翠館は、高校日本代表候補のFB鹿島優陽(2年)をはじめ、FWとBKの総合力の高いチームで年越しを決めたい。山形南(山形)を45-0で退けた黒沢尻北は、高校日本代表候補のLO(ロック)細川聖ら大型選手も多く、FWでプレッシャーをかけたい。
第4試合は14:30にキックオフされ、Bシードの大阪桐蔭(大阪第2)、目黒学院(東京第2)と優勝経験チーム同士が激突する。FL松岡風翔とCTB上田倭士(いずれも3年)の2人の共同キャプテンがチームを引っ張り、上田の弟SO倭楓(2年)がゲームをコントロールする。SH(スクラムハーフ)須田龍之介(3年)ら高校日本代表も3人おり、1対1のコンタクトの強さで勝負する。
一方、目黒学院は1回戦、LOサーフ・イライシア(3年)の5トライを含む13トライで勿来工業(福島)に83-0と大勝した。フィジカルバトル、そして1年間鍛えてきたディフェンスでプレッシャーをかけていきたい。
15:45からは優勝候補のAシード東福岡(福岡)が開志国際(新潟)の挑戦を受ける。春夏ともに準優勝で、国体では多くの選手が福岡県選抜の中心として優勝に貢献した。FL大川虎拓郎主将、LO舛尾緑(ともに3年)は攻守に渡り、前に出る力があり、CTB西柊太郎、FB石原幹士(ともに3年)らBK陣にもタレントが揃う。
3大会連続3回目の出場となった開志国際はFB星遥大(2年)の活躍もあり、54-10で岡谷工業(長野)を破って花園初勝利を挙げた。その勢いを強豪にぶつけたい。
◆第2グラウンド
09:30 大津緑洋(山口)vs. 國學院久我山(東京第1)
10:45 日本航空石川(石川)vs. 長崎北陽台(長崎☆)
12:00 茗溪学園(茨城)vs. 國學院栃木(栃木☆)
13:15 流通経済大柏(千葉☆)vs. 倉敷(岡山)
14:30 加治木工業(鹿児島)vs. 東海大相模(神奈川☆)
日川を破った國學院久我山
第2グラウンドでは5試合が行われる。9:30から大津緑洋(山口)と國學院久我山(東京第1)が戦う。1回戦で富山第一(富山)を15-7で下した大津緑洋は、しっかりとディフェンスし、セットプレーでスコアを狙いたい。52-7で日川(山梨)を下した國學院久我山は、高校日本代表候補の主将HO(フッカー)清水健伸、LO磯部俊太朗(いずれも3年)ら平均体重100kgの大型FW(フォワード)で相手にプレッシャーをかけたい。
10:45からの第2試合は、Bシードの長崎北陽台(長崎)が日本航空石川(石川)と対戦する。九州大会ベスト4の長崎北陽台はLO白丸智乃祐(3年)、FL亀井秋穂(3年)、FB亀川友哉(いずれも3年)らがおり、総合力は高い。北見北斗(北北海道)を29-10で下し2回戦に進出した日本航空石川は、CTBトゥポウ・トゥリマファ副将(3年)、PR槇村紫勇(2年)など個の強さで対抗したい。
FWに自信を持つ茗溪学園
12:00からは茗溪学園(茨城)とBシードで昨季のフィナリスト國學院栃木(栃木)の関東の強豪同士がぶつかる。1回戦、光泉カトリック(滋賀)に53-0と快勝した茗溪学園は主将のNO8松永樹門(3年)を筆頭とした大きなFWと、SH廣瀬研太朗(3年)を中心としたランを武器にシード校打倒を狙う。
昨季の準優勝の國學院栃木には、SO伊藤龍之介、FB青柳潤之介(いずれも3年)の「之介コンビ」を中心に、PR木村陽太、スピードスターのWTB(ウィング)島崎聖弥(いずれも3年)らタレントも揃い、展開力だけでなくセットプレーも強い。総合力の高さを見せたい。
13:15からは、Bシードの流通経済大柏(千葉)と倉敷(岡山)が対戦する。関東王者の流通経済大柏はLO中川功己、NO8小沢天、PR山口匠(いずれも3年)とFWに強い選手が揃っており、BKにも高校日本代表CTB飯岡建人(3年)らがおり、総合力は高い。1回戦で城東(徳島)に26-24で、花園で初勝利を挙げた倉敷。FL(フランカー)土屋舞央主将を中心にディフェンスし、チャンスを作れるか。
14:30からはBシード東海大相模(神奈川)と加治木工業(鹿児島)が対戦する。32年ぶりに神奈川県大会を優勝し、2大会ぶりに出場する東海大相模は、県内のライバル・桐蔭学園に僅差で勝利したディフェンス力を軸に戦うチームで、SO野口柊、CTB涼(ともに3年)の双子が攻撃を担う。接戦の末に若狭東(福井)に7-0で勝ち、44年ぶりで勝利を挙げた加治木工業。粘り強いディフェンスで、まずは僅差に持ち込みたい。
◆第3グラウンド
09:30 中部大春日丘(愛知☆)vs. 名護(沖縄)
10:45 常翔学園(大阪第1☆)vs. 尾道(広島)
12:00 天理(奈良)vs. 青森山田(青森)
13:15 昌平(埼玉)vs. 京都成章(京都☆)
14:30 東海大静岡翔洋(静岡)vs. 秋田工(秋田)
第3グラウンドも午前9:30から5試合が行われる。第1試合はBシードの中部大春日丘(愛知)と名護(沖縄)が対戦する。東海王者の中部大春日丘は、「姫野和樹2世」と称されるキャプテンのLO物部耀大朗、PR中村大飛(ともに3年)、福田大和(2年)とFWにタレントが揃う。
近大和歌山(和歌山)を22-5で下して2回戦に進出した名護。体重110kgのPR(プロップ)加屋本唯(3年)、95kgのLO比嘉弥月(2年)など平均体重90kgを超える大型FWで試合を優位に運びたいところ。
シートバックを狙う尾道
10:45からはBシード常翔学園(大阪第1)と尾道(広島)が戦う。常翔学園は、FW、BKともに前に出られるチームで、下級生も多い。平均体重100kgの重量FWを擁し、SH田中景翔主将(3年)、SO為房幸之介(2年)のハーフ団がゲームをコントロールし、CTBファイアラガ義信ダビデ(3年)らの突破でスコアを重ねたい。
1回戦で朝明(三重)を59-7で下した尾道は、共同主将の1人SO青田宗久、HO檜山蒼介(ともに3年)らを中心に、強豪相手にまずはディフェンスからプレッシャーをかけたい。
12:00からはBシード天理(奈良)と青森山田(青森)が行われる。春は選抜大会に出場し、東福岡に5-25と力のあるところを見せた天理。奈良県予選ではライバルの御所実業に15-7と逆転勝ちを収めて4大会ぶりに花園の切符を手にした。NO8太安善明、HO松隈孝成(ともに3年)らFW中心でゲームを進め、SO須田厳太、CTB田中優也(とも3年)らで得点を取り切りたい。
1回戦を33-14で明和県央(群馬)を下した青森山田。LOコロ・ソナタネ、FBフィリモネ・サイアの2人のトンガ人留学生と、副将のCTB神真広(いずれも3年)を中心とした展開ラグビーでシード校に食らいついて正月越えを目指したい。
13:15からは昌平(埼玉)とBシードの京都成章(京都)が対戦する。ともにディフェンス力に定評のあるチーム同士た。京都成章は力のあるチームで、共同キャプテンを務めるNO8森山飛翔、CTB本橋尭也(いずれも3年)の2人を中軸に戦う。熊本工業(熊本)を19-7で退け、2回戦に進出した堅守速攻の昌平は、守ってカウンターで勝機をうかがいたい。
14:30からは東海大静岡翔洋(静岡)と秋田工業(秋田)が激突する。ラスト5分で2トライを取って仙台育英(宮城)に24-17で逆転勝ちした東海大静岡翔洋は、キャプテンのNO8名取稜太郎、185cmのLO(ロック)丸山怜真(ともに3年)を中心に力強いモールで得点を奪いたい。
昨季の1回戦で負けた松山聖陵(愛媛)に22-7で勝ってリベンジした古豪・秋田工業。主将のSO鈴木颯太(3年)のキックで敵陣に入り、強いFWのモールでゴールラインまで迫り、決定力のあるBKで取りきりたい。
いよいよシード13校が登場するが、シード校はしっかりと勝利して元日に行われる3回戦に進出できるか。またはノーシード校がシード校を破る「シードバック」は起きるのか。12月30日は1日に16試合が行われ、花園の最も熱い1日となる。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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