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24大会連続の選手権出場となる名門は、今年も強い。
問答無用の強烈なフィジカル。比類のない強力スクラム。スキル豊富なバックスの多彩なパス、キック。剛柔併せ持った優勝戦線の本命だろう。
ただ帝京の強さの真髄は、品行方正で自由闊達なクラブ文化だと感じる。
そこで伸び伸びとプレーする選手は主体的に行動し、シーズンを通して、大学選手権においても自律的に成長を続ける。戦力ではなく文化が優れていたから9連覇(2009~2017年度)を為し得たのだろう。
3週間前の慶應義塾大学戦を振り返り、主将のCTB松山千大は「アタックでの取り急ぎだったり、ディフェンスで横とつながることができていなかったりといった課題が見えましたので、この3週間でしっかりと修正していきたい」とのコメントを発表している。
今年度の帝京は、この3週間でどのような成長を遂げ、準々決勝の舞台に現れるのか。
帝京大学スターティングメンバー
こちらも執筆時点でメンバー未発表だが、帝京の強いフィジカルの代名詞的存在であるHO江良颯、こちらも将来の飛躍が期待されるオフロードパスも巧みな大器、LO青木恵斗、80分間攻守に働くFL/NO8奥井章仁らFWは強力。
絶対的司令塔、SO高本幹也のスキル、チャンスを見逃さない視野の広さ、得点感覚も必見。大阪桐蔭高の同期、CTB松山主将との連係も見逃せない。
チャレンジャーとなる同志社は80分間規律を保ち、堅陣を崩さず、帝京の焦りを誘いたい。
同志社は大学選手権含め今秋勝利した4試合はすべてペナルティ数が9回以下。天理戦は最小6回。一方でペナルティ数が10回以上だった試合は全敗している。
同志社はフィールドプレー衝突局面で互角以上に渡り合いたい。それが後のフェーズでのオフサイドを減らし、ラグビーで最も反則が多いブレイクダウンでの正しいプレーに繋がるはずだ。
やはりスクラムは大きな見所だ。帝京は重圧をかけてくるだろう。PR山本をはじめフォワードの一体感に期待したい。
勝てば正月越え。1月2日、国立競技場で行われる準決勝に登場するのは、同志社か、それとも帝京か――。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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