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東京サンゴリアスFBマッケンジー
「ジャパンラグビー リーグワン」は早くも折り返しを迎えた。3月4日(金)は東京・秩父宮ラグビー場で、ディビジョン1のカンファレンスA・B交流戦の3節目、ともにトップリーグ時代に優勝経験のある東京サントリーサンゴリアスとコベルコ神戸スティーラーズが激突した。
1月7日の開幕戦がコロナの影響で中止になったこともあり、金曜日のナイトゲームはリーグワン初となった。
ホストの東京サンゴリアスは第6節を終えて全勝で首位に立っていたが、前節は埼玉パナソニックワイルドナイツに17-34と敗れ、リーグワン初黒星。順位を1つ下げて2位(勝ち点28)となった。
先発はその埼玉ワイルドナイツ戦から4人変更。FW(フォワード)では、LO(ロック)辻雄康と小林航の2人、BK(バックス)は日本代表の2年目のSH(スクラムハーフ)齋藤直人、WTB(ウイング)に昨季のトライ王テビタ・リーがスターターとなった。
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第8節 東京サンゴリアス vs. コベルコ神戸スティーラーズ
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一方、ビジターのコベルコ神戸スティーラーズは、開幕から連敗を喫したが、現在首位に立つクボタスピアーズ船橋・東京ベイや、NECグリーロケッツ東葛から白星を挙げた。しかし、2月の「BYE WEEK」(休みの週)の後、コロナの影響で2試合が中止となり、2勝5敗で8位(勝ち点11)となった中、約1ヶ月ぶりの試合となった。
こちらは、第5節のグリーンロケッツ東葛戦からFW3人、BK2人と5人変更。FW第1列は日本代表経験のある山本幸輝が、コロナやケガ人の影響で右PR(プロップ)として出場。BKは元オールブラックスのSO(スタンドオフ)アーロン・クルーデン、日本代表のFB(フルバック)山中亮平らが復帰した。
試合は5280人の観客が見守る中、ともにアタッキングラグビーを信条とする強豪同士の対戦は、午後7時に東京サンゴリアスのボールでキックオフされた。
モールから先制したコベルコ神戸スティーラーズ
序盤は約1ヶ月ぶりの試合で、勝ち点を挙げたかったコベルコ神戸スティーラーズがボールを継続し優勢に試合を進める。前半11分、相手陣左ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、そのままインゴールに運んでHO(フッカー)平原大敬が押さえて5点を先制する。
だが、その後はホストの東京サンゴリアスのペースとなり、「我慢してディフェンスができたので、それがいいアタックにつながった」とCTB(センター)中村亮土キャプテンが胸を張った通り、この日はカウンターが冴えた。
CTBケレビのトライで東京サンゴリアスが反撃開始
14分、相手のキックをキャッチした後、左に展開し、ルーキーのFL(フランカー)下川甲嗣(早稲田大学出身)がゲインし、内側でサポートに入ったCTBサム・ケレビがそのままトライ。FBダミアン・マッケンジーのコンバージョンも成功して7-5と逆転する。
17分も同様に相手のキックからボールを継続して、FBマッケンジーとWTB尾崎晟也がパスを交換してゲイン。最後はFBマッケンジーにつないでトライ。24分も相手のミスからボールを展開し、WTBリーが抜け出し、そのまま70m走り切り、21-5と大きくリードした。
さらに33分、東京サンゴリアスは相手右ゴール前ラインアウトからモールを押し込んだ後、フェーズを重ね、最後は中央でCTB中村が裏へキック。そのボールにFBマッケンジーが追いついて2つ目のトライ。28-5で前半を折り返した。
WTBリーもハットトリックを達成
後半も東京サンゴリアスの勢いは止まらず、5分、相手陣中央スクラムから左に展開し、CTBケレビからオフロードのパスを受けたWTBリーが、タックルを受けながらも左隅にグラウンディングしトライ。
17分にも相手ペナルティからSH齋藤がクイックで仕掛けて、LO辻がゲイン。最後はFL小澤直輝が素早くピックしてゴール真下にトライを挙げ、42-5として試合を決めた。
コベルコ神戸スティーラーズも22分には、LOのJD・シカリング、31分にはWTBアタアタ・モエアキオラがトライを挙げて反撃したが、2つトライを返すのがやっとだった。
LOシカリングのトライ
東京サンゴリアスは25分にFBマッケンジーがハットトリックとなるトライ、終了間際にはスクラムでプレッシャーをかけ、WTBリーもハットトリックとなるトライを決めて、56-17でノーサイドを迎えた。
ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
【第8節ハイライト】 東京サンゴリアス vs. コベルコ神戸スティーラーズ
前節は2トライに抑えられた東京サンゴリアスが、持ち前のアタッキングラグビーを見せ、8トライで快勝した。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には3つのトライだけでなく、8つのゴールすべてを決め、31得点を挙げたFBマッケンジーが選出された。
POMに輝いたFBマッケンジー
「先週は非常に悔しい試合になってしまった。そこからカムバックし、今日はすごくポジティブなパフォーマンスができた。サンゴリアスのスタイルは非常に自分に合っているし、チームにいい影響を与えられるように意識してプレーができています」(マッケンジー)。
快勝した東京サンゴリアスのミルトン・ヘイグHC(ヘッドコーチ)は、「いいゲームでした。前半、私たちはいいディフェンスしました。4トライしました。後半はいくつか課題を見つけました。次の試合までに修正しなければいけません。でも、5ポイントを取りました。ゲームに勝ちました。満足しています」と流暢な日本語で振り返った。
日本代表らしいプレーを見せたCTB中村主将
攻守に渡り、安定感あるプレーを見せたキャプテンのCTB中村は、「久しぶりのナイターゲームで、選手としてはすごい楽しく、いつもと違う雰囲気の中でゲームできたところが非常に良かった。先週負けて、ちょっとがっかりしてからのスタートでしたが、選手みんな気持ち切り替えて、しっかり自分たちの修正するべきところに向き合って修正できた」と満足げに話した。
勝点を積み上げることができなかったコベルコ神戸スティーラーズのデイヴ・ディロンHCは、「終盤、残念な結果になってしまいました。キックオプションなど様々な点で学ぶところが多かった。プレーが緩かったり、ラインブレイクの後、取り切れなかったりした。選手は努力していましたが、単純に悔しい」と肩を落とした。
ゲームキャプテンを務めたSH日和佐
ゲームキャプテンのSH日和佐篤は「サントリーに何もさせてもらえなかった。それに尽きる。色々やらなければならないことがあります。次の試合に向けてしっかり準備をする。それだけです」と前を向いた。
勝ち点5を獲得し総勝ち点を33に伸ばした東京サンゴリアスは、次節3月11日(金)に、再び秩父宮ラグビー場のナイトゲームで、クボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎えての首位決戦を戦う。
2勝6敗で、勝ち点11のままとなったコベルコ神戸スティーラーズは、次節は3月12日(土)にホストスタジアムの兵庫県・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にリコーブラックラムズ東京を迎える。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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