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【日本ラグビーを支えるスペシャリスト】ラグビー選手を救い、蘇らせる「ゴッドハンド」 アスレチックトレーナー佐藤義人さん
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一──師匠がいらっしゃるんですね。
「学生の頃に出会ったのですが、九州にいらっしゃったので年に2回くらいしか行けなかったんです。そこで学んだことをメモして、そこから自分で研究しました。文献もないし、教科書もないので、何かヒントになるものはないか、本屋さんめぐりをして、読んで、チェックしてということを繰り返し、自分なりのオリジナルの理論を作っていきました」
──ラグビー選手と接して感じる特徴的なことはありますか。
「中学生、高校生、大学生、トップリーグとカテゴリーに分けて見ると、中学生はナチュラルな筋肉、高校はヘビーなウェイトトレーニングをするチームもあれば、ナチュラルな体作りをするチームもある。大学生は、より重いウェイトトレーングで体を大きくしますね。そうなったときに、もともと持っていたスピード、しなやかさを失っていく選手が実は多いです。大学に入って怪我が増える選手もいます。体を鍛えるためのトレーニングが体のゆがみを増やしているケースが多いのは、ウェイトトレーニングをする前の体が作れていないということなんです。怪我で悩んでいる選手は、根本の問題を解決しないまま、ハードワークをしているケースがあります」
──しかし、ラグビーに怪我はつきものですよね。
「良くないのは怪我がつながってしまう選手です。バランスが崩れた中で、1年、2年とプレーし、ボロが出てくるのが20歳代後半から30歳代です。堀江翔太が好例で、30歳でいったんダメになりましたが、トレーニングの方法を変えて、今は逆にパフォーマンスが年々上がっています」
──今年のパナソニックで、佐藤さんのトレーニングでパフォーマンスが上がってきた選手はいましたか。
「松田力也以外では、山沢拓也、布巻峻介です。布巻君はシーズンを通して試合に出続け、いつも苦しむ首も含めて大きなトラブルなくプレーできました。山沢君は大学時代の膝の怪我を抱えていましたが、今シーズンはそれも問題なかったですね。彼のトレーニングメニューも作り、プレースキックのフォームも一緒に作り上げました。彼には軸足が入る角度の最適なデータを出しました。やっとフォームが固まったのは決勝戦の前日でした」
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