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ラグビー コラム 2020年6月22日

【ハイライト動画あり】ブルーズ、亡きファンに捧げる勝利。スーパーラグビー2020 アオテアロア

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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6月13日に開幕したニュージーランドカンファレンス5チームが参加して行われる「スーパーラグビー2020アオテアロア」。第2節は6月20・21日に行われ、20日(土)は、チーフスブルーズをFMGスタジアム・ワイカトに迎えて開催された。

先週、ハイランダーズに26-27と惜敗したチーフスは、連敗はなんとしても避けて、ホームのファンの前で勝利を飾りたいところだった。

今シーズン、フランスのモンペリエから移籍してスーパーラグビー復帰を果たしたベテラン、元オールブラックスのアーロン・クルーデンがSO(スタンドオフ)で先発。

腰のケガで欠場したFL(フランカー)サム・ケインの代わりにキャプテンを務めるSH(スクラムハーフ)ブラッド・ウェバーとコンビを組んだ。

一方、開幕戦はホームでハリケーンズに30-20と勝利し、その勢いに乗りたいブルーズは、ケガをした両FLブレイク・ギブソンとトム・ロビンソンから、ダルトン・パパリイとアキラ・イオアネに変更したのみで、前節と同じメンバーで臨んだ。

ブルーズは、試合前日の金曜日に射殺されてしまったオークランドの警察官を追悼し、黒い喪章をつけて臨んだ。亡くなった警察官は先週、ホームで行われた開幕戦を観戦していたという。

雨の中、2万3874人の観客を集めてキックオフされた試合は、ボールが滑りやすいこともあり、キックの多い展開となった。試合は開始から10分を過ぎたところで、ようやくスコアボードが動く。

11分、ブルーズはキャプテンのLO(ロック)パトリック・トゥイプロトゥの危険なタックルでペナルティを与えてしまう。チーフスのFB(フルバック)ダミアン・マッケンジーの中央からのPG(ペナルティゴール)が決まり、ホームのチーフスが3点を先制した。

しかしその直後、ブルーズはボールをキープし敵陣深くに入る。14分、ラインアウトからFWのピック&ゴーの連取でゴールラインまで迫り、最後はNO8(ナンバーエイト)ホスキンス・ソトゥトゥが押さえてトライ。

SOオテレ・ブラックのコンバージョンも決まって、ブルーズが7-3と逆転に成功する。このまま勢いに乗りたいブルーズだったが、ミスや反則でリズムを失ってしまう。

逆にチーフスが相手陣での時間が増えてチャンスが増える。すると20分、相手ペナルティで得たPGを再びFBマッケンジーが決め、6-7と1点差に迫る。

さらにチーフスは28分にFBマッケンジーのセンターライン付近からの長いPGで逆転を狙ったが、ボールはわずかに左に逸れてしまう。逆に36分、ブルーズはSOブラックの敵陣22mラインからのPGで追加点を挙げて10-6とした。

前半、ブレイクダウンでの反則が多いブルーズは、38分、FLパパリイが反則の繰り返しでイエローカードをもらいシンビン(10分間の退場)となる。チーフスはFBマッケンジーがPGを成功させ、9-10と再び1点差として前半を終えた。

後半、ホームのチーフスは約10分間、数的優位な状況の間に逆転しておきたいところだった。

だが、ブルーズのSHサム・ノックやFBボーデン・バレットがうまくキックを使い、敵陣でプレーし、チーフスに得点を与えなかった。逆に敵陣でペナルティを得たブルーズは12分、SOブラックのPGで3点を加え13-9とする。

しかし、チーフスも直後の14分にFBマッケンジーのPGで12-13と再び1点差に迫る。試合はどちらに転ぶかわからない状況の中、ここで違いを見せたのがブルーズのオールブラックスたちだった。

24分、ボールを継続する中でFBバレットが落ち着いてDGを決め、16-12と4点差とすることに成功。バレットは28分にもPGを決めて19-12とリードを広げる。

勢いづいたブルーズは30分、開幕戦で大活躍したWTB(ウィング)ケイレブ・クラークが左に大きく突破すると左右に大きく展開。

オールブラックスでも活躍するキャプテンのLOトゥイプロトゥもゲインを繰り返し、最後はWTBマーク・テレアが右隅に飛び込んでトライ。ブルーズが24-12とチーフスを引き離す。

チーフスも一矢報いようと、試合終了間際にカウンターアタックを狙うが、ブルーズが落ち着いて守ってそのままノーサイド。

ブルーズが24-12でホームのチーフスを下して2連勝を達成。ブルーズは9年ぶりにハミルトンで勝利を収めて、チーム史上初のアウェイで5連勝という記録ずくめの白星となった。

痛い連敗を喫したチーフスのウォーレン・ガットランドHC(ヘッドコーチ)は、「こんなにターンオーバーされていたら勝てない。もっと(接点での)精度を上げていかなければいけない。

前半は悪天候の中でもよくやったと思うが、ブルーズは1つのフェーズ、1回のテリトリー奪取でチャンスをものにしていた。私たちは自分たちにプレッシャーをかけてしまったのかもしれない」と唇を噛み、「非常に残念な結果だが、次の試合に向けてハードワークするしかない」と前を向いた。

一方、好調をキープするブルーズのレオン・マクドナルドHCは、「ハンドリングエラーも多かった中で、少ないチャンスを得点に結びつけることができたのが良かった。連勝は喜ばしいが、修正点もある。1つ1つ積み重ねて行くだけ」とアウェイでの勝利にも落ち着いた様子で話した。

キャプテンのLOトゥイプロトゥは、「この勝利はブルーズのサポーターである亡くなった警察官に捧げたい。彼は先週の開幕戦も観戦してくれた。ブルーズのファンであり、私たちを守ってくれる警察官だ。いつも私たちの心にあり続ける」と偲んだ。

連勝で勝ち点を8に伸ばし、首位をキープしたブルーズは、次節は6月27日、ホームでハイランダーズを迎えて開幕3連勝にチャレンジする。

チーフスは次節6月28日、アウェイで昨年のスーパーラグビー王者であるクルセイダーズと対戦するが、なんとしても連敗を止めたいところだ。

文:斉藤健仁

スーパーラグビー2020 アオテアロア

第2節 チーフス vs. ブルーズ ハイライト

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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