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モータースポーツ コラム 2026年4月6日

2026 SUPER GT 第1戦プレビュー 絶対王者の強固な牙城に攻め入るのは、どのチーム!?

SUPER GT by 島村 元子
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前人未到の3連覇を達成したNo.36 au TOM'S GR Supra(写真は富士スピードウェイ公式テストのもの)

平年より早いペースで桜前線が北上している今年の日本列島。2026年のSUPER GTが開幕する4月11日(土)には、見頃もピークを過ぎているかもしれない。桜の花を愛でつつ、レース観戦……は叶わないかもしれないが、岡山国際サーキットでは待ちに待ったGTレースの戦いが始まる。テストを繰り返し、精力的に準備を進めてきたチームの奮闘が形になって現れる大事な一戦になるだろう。

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連覇、新車、変革……各陣営の今シーズンは?

チームとして前人未到の3連覇を達成したNo.36 au TOM'S GR Supra。ドライバーは坪井翔山下健太のコンビは変わらず、史上初の4連覇を目指して今シーズンの初戦を迎える。オフシーズンには、国外サーキットでの非公式メーカーテストはじめ、先月にはGT300、GT500両クラスの参戦車両が参加した公式テストが行なわれたが、そこでもつねに上位タイムをマーク、安定感ある速さを誇示していた。

もっとも、テストでは36号車だけでなく他のトヨタ陣営も好タイムをマークしていた。熟成が進むGRスープラの持ち味である速さと強さを武器に、各車揃って打倒36号車を目指している。36号車と同じ道具(車両)を使う以上、独走を許すわけにはいかないという大きなプレッシャーを跳ね除けつつ仕事に取り組んできた成果が現れているようだ。なかでも注目したいのが、No.38 KeePer CERUMO GR Supra。ベテラン石浦宏明がGT500クラスから勇退し、代わって小林利徠斗がGT300クラスからスイッステップアップを果たしてステアリングを握る。昨シーズン、GT300クラスでポールポジション2回、優勝1回と躍動したルーキーは、独特のキャラクターとして今や注目の的に。また、コンビを組む大湯都史樹もユニークなドライバーで人気が高い。大湯は初めて年下ドライバーとコンビを組むが、「わからないことを優しく教えてもらっている」と小林が言うように、”兄貴分”の仕事もしっかりこなしている様子。ふたりがどんな”ケミストリー”を見せてくれるのかも楽しみだが、先陣を切って結果を残すことにでもなれば、その勢いのままチャンピオン候補にも成り得るだろう。

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ホンダ陣営は、シビック タイプR-GTによる戦いを2シーズンで終え、新たにプレリュードGTを投入する。5台のうち、No.100 STANLEY HRC PRELUDE-GTだけ体制に変化がない。残る4台はドライバー、エンジニアを含め、変更が見られる。2年連続シリーズ2位となった100号車は、ホンダ陣営としてトップの成績を残しているものの、コンビ結成7年となる山本尚貴牧野任祐が求めるのは6年ぶりの戴冠。近年、チームは予選でのパフォーマンスに伸び悩み、決勝で反転攻勢を見せるという総合力を活かして戦ってきた。新車開発には牧野が中核として携わっていると言われており、それゆえ今シーズンは予選から上位につけ、安定した結果を狙いたい。また今シーズンはHRC(ホンダ・レーシング)がテクニカルディレクターを新設し、各チームにエンジニアを置くことでサポートを強化している。100号車に限らず、GT500クラスでの頂点を獲りにいく、という本気度を感じずにはいられない。

トヨタの6台、ホンダの5台エントリーに対し、1台削減の3台で今シーズンを戦うことになったのがニッサン陣営。一番のニュースはGT参戦以来、ヨコハマタイヤで奮闘してきたNo.24 リアライズコーポレーション Zがブリヂストンタイヤにスイッチしたことだろう。ドライバーも昨シーズンまでブリヂストンタイヤで戦っていた三宅淳詞が新加入。名取鉄平との若いコンビネーションによる躍進に注目が集まる。なお、今年はタイヤコンペティションがあるラストシーズンとなるが、折しも3月末まで車両の空力開発が解禁されていたため、オフシーズンはどのチームも限りある時間を最大限活用してテストに取り組んでいた。24号車の敢えてタイヤメーカーを前倒しで変更したことで、全陣営のデータ共有を進めることができたのではないだろうか。また、昨シーズンまで長くGTドライバーとして活躍し、功績を残した松田次生氏がNo.23 MOTUL Niterra Zのチーム監督に就任したことも話題になっており、これらの変革による相乗効果をファンは楽しみにしているはずだ。

14台がしのぎを削るGT500クラスだが、2026年はさらにタフな展開になりそうだ。というのも、コスト低減と耐久性確保を両立するエンジンの開発を推進するという観点に基づき、使用エンジンを昨シーズンまでの2基から1基へと制限したからだ。結果として、耐久面を重視した戦い方が求められるため、エンジニアが手がけるクルマ作りにも影響があるだろう。さらに、レース結果に合わせて搭載するサクセスウェイトに応じた燃料流量リストリクターと新たに「サクセス給油リストリクター」と呼ばれる給油流量リストリクターを併用することも決まっている。昨シーズンからGT300クラスに導入された「サクセス給油リストリクター」がGT500クラスにも適用されることなったわけだが、これによってピットでの給油時間が今までより長くなり、このタイムハンデをコース上で取り戻すことが容易ではないためにコースでは混戦が続き、独走が許されないレースが増えるかもしれない。

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百花繚乱のGT300も、話題豊富

一方、SUPER GTにおけるもうひとつの主役であるGT300クラスにはどんな見どころがあるのか。昨シーズンのチャンピオンであるNo.65 LEON PYRAMID AMGの体制に変化はなく、王座防衛の呼び声も高い。だが、迎え撃つライバルも体制を強化して戦闘力を充実させている。新たに水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載するNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTはテストでも快走を見せており、BRZがもともと得意とするコーナリング性能にさらに磨きがかかったとも言われている。競争力を向上でポールポジション”量産”はもちろん、遠ざかっている勝利の実現に向けて好スタートを目指すだろう。

話題性といえば、No.88 VENTENY Lamborghini GT3か。GT500、300両クラスでタイトルを手にしているベテラン小暮卓史が新たにコンビを組むのは、元F1ドライバーのダニール・クビアトだ。長くフォーミュラレースでのキャリアはあるが、本格的なGTレースの挑戦がSUPER GTとなる。異なるクラス車両との混走レースは、WECやIMSAといったスポーツカーレースで経験済みだが、GT500車両に抜かれることが前提のGT300車両をどう操るか。その手腕に注目したい。

また、GT500クラスへの参戦を目標に、新たなシーズンへ挑むルーキーたちもGT300クラスに多数デビューを果たす。近い将来、各メーカーを背負って戦うトップドライバーを目指し、頭角を現す新星が誕生するのか、こちらも楽しみだ。

開幕戦の舞台、岡山サーキットはコースと観客席が他のサーキットより圧倒的に近く、緊迫感あるレースを堪能することができる。コンパクトなテクニカルコースゆえにドライビングテクニックが問われるため、思わぬ展開になることも少なくない。SUPER GTの今シーズン最初の戦いを、現地そしてJ SPORTSで存分に味わおう。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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