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モータースポーツ コラム 2025年11月26日

2025年WRC第14戦(最終戦)ラリー・サウジアラビア “39番目のWRC新規参入ホスト国”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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初のドライバーおよびコドライバー選手権のタイトルを狙うE.エバンス/S.マーティン組

1973年にWRCが発足した最初のホスト国は13でした。この中にはモナコやスウェーデン、フィンランドの如くこの50年余り営々とつながっているものも、一方で途中でなくなってしまうものもそれぞれです。1973年にはモロッコ、ポーランド、オーストリア、アメリカなどがWRCホスト国でした。その後、毎年改定されるラリーカレンダーに対する各団体の誘致運動などを繰り返していますが、世界選手権と言うからには世界の主たる地域に少なくともひとつの開催地があるべきとの思想のもとに運営されているようです。本来であれば、ヨーロッパ、アメリカ大陸、アフリカ、オセアニア、アジア、中近東などに分散化することが望ましいわけですが、間口を広げすぎてしまうと経済的に成立しないこともあり、FIA及び主催者の悩みは尽きない状態です。

今回のサウジアラビアの加入は中近東地域として2000年のキプロス、2003年のトルコ、2008年のヨルダンに次ぐホスト国です。

私は中近東地域での営業担当を数年間やったことがありますが、その一環で湾岸諸国のアラブ首長国連邦、サウジアラビア(UAE)、オマーン、クウェート、カタール、バーレーンなどの販売店を結集して、トヨタ中近東連合チームを作りFIAの中近東シリーズを戦ったことがあります。

当時のドライバーの中には現在FIA会長になったモハメド・ビン・スライエム氏です。妙なご縁です。私が中近東地域を定期的に巡回していたのは40年ほど前の話ですが、その頃のサウジアラビアは閉鎖的な国家で、モータースポーツ禁止国でした。その後、長い年月を経て近隣諸国、特にUAEやカタールがスポーツで国のイメージを変えようとしており、サウジアラビアもこの影響を受けています。特にダカールラリーの誘致はサウジアラビアのイメージを大きく変えました。

今回のラリー・サウジアラビアの詳細情報はありませんが、路面はグラベルでスムーズなハイスピードタイプであるものの、突然ダカールタイプの脇道が出現するとのことです。

開催地はアラビア半島の港湾都市ジェッダ(ジッダ)を拠点に全17ステージで、「Jameel Motorsport Super Special」 と名前のついた市街地でのSSSがあります。このSSSのスポンサーになってくれたのは、私の昔の商談先であるJameel社です。懐かしい名前です。

さて、最終戦まで持ち越したドライバーズ・チャンピオンですが、ここまでの上位ランキングは1.エバンス 272pt、2.オジェ 269pt、3.ロバンペラ 283ptとなり、この3名のトヨタ勢に絞られます。首位と2位の差は3ポイント、2位と3位の差は21ポイントです。

人情論からいえば、エバンスに初チャンピオンを取ってほしいですね。

最後にラリー概要は下記のとおりです。

SS本数 SS km Liaison km Total km
D-1 (11/26) 1 5.22 km 0.83 km 6.05 km
D-2(11/27) 7 106.84 km 457.72 km 564.56 km
D-3(11/28) 6 141.72 km 280.36 km 422.08 km
D-4(11/29) 3 65.66 km 150.22 km 225.88 km
Total 17 319.44 km 899.13 km 1218.57 km

なお休日が日本と異なるので、土曜日フィニッシュです。時差は6時間です。

文:福井 敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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