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モーター スポーツ コラム 2025年10月14日

2025年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー “3カ国跨ぎのラリー”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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昨年の同大会の様子。写真は優勝したHYUNDAI Shell Mobis WRT

2023年にWRC史上初めての3カ国共同開催が実施され、今回が第3回目となりました。過去に複数の国を通過するラリーは前例がないわけではありません。

昔のサファリ・ラリーはケニアとタンザニア、ウガンダの3カ国が舞台でした。ラリー・スウェーデンも一時期ノルウェーにはみ出して開催されていました。チェコは第二次世界大戦以前から自動車生産国であり戦後も名門メーカーシュコダ・オートで経済復興しました。現在はフォルクスワーゲン・グループに属しています。シュコダは半世紀以上熱心にスポーツ活動を継続しており、特に生産車両ベースのグループ2、グループN、現在のRally2車両を市場に提供しています。また、オーストリアは以前にWRCのオーストリア・アルパイン・ラリーの主催国だった時代があります。ドイツはWRC常連国でしたが、国内の環境問題などで暦年開催が難しい情勢にあります。しかし、そのような中でこの3カ国が共同開催する意義は大きいものがあります。

大会本部とサービスパークはドイツ南部のミュンヘンから100キロほどの位置にある都市パッサウにあり、オーストリアとチェコの国境に接しています。パッサウはドナウ川、ライン川、イルツ川の合流地点にあることから“3河川の街”(Dreiflussestadt)と呼ばれています。

ラリーはすべてターマック路面で行われますが3国の路面は微妙にグリップが異なる上、新しいラリーで情報が少ないです。そのため、ペースノートの完成度が微妙な差を生むことになるでしょう。さらに路面の補修技術など道路インフラの国別の差が出てくることもあります。

シリーズ終盤になってトヨタの好調さが目立ってきました。ポイント状況を確認しておきましょう。
ドライバーポイントでは1.オジェ 224pt、2.エバンス 222 pt、3.ロバンペラ 203 pt、4.タナク 181 pt、5.ヌーヴィル 166 pt、6.勝田 94 pt、7.フルモー 86 pt、8.パヤリ 70pt。
マニュファクチャラーランキングでは1.トヨタ 572 pt、2.ヒョンデ 447pt、3.フォード 157ptとなりました。

また来年のカレンダーが発表になりました。今年と同様全14戦となりますが、ラリ-ジャパンが例年の秋季開催から5月末開催となりました。主催者が慌ただしくなります。

最後にラリー概要は下記のとおりですが、注目は全行程に渡り中間サービスなし。給油とタイヤ交換のみです。車両トラブルは一日引きずることになります。

SS本数 SS km Liaison km Total km
D-1 (10/16) 2 25.66 km 74.73 km 100.39 km
D-2 (10/17) 6 99.00 km 411.39 km 510.39 km
D-3 (10/18) 6 103.64 km 439.74 km 543.38 km
D-4 (10/19) 4 77.78 km 212.24 km 290.02 km
Total 18 306.08 km 1138.1km 1444.18km

文:福井 敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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