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64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT
SUPER GT第6戦 スポーツランドSUGO GT 300km RACEは、近年にないドラマチックな展開。最終ラップにトップが入れ替わった。24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z が優勝。KONDO RACINGにとって9年ぶりの勝利。ドライバー、松田次生選手にとって25勝目を記録。
一方でまたしても複数台数が関係するアクシデントが起こり、レースは赤旗中断している。
そのアクシデントに巻き込まれてマシンが大破してリタイアしてしまった64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは、リタイアしていなかったら表彰台は確実に立っていただろう。いや、勝てていたかもしれない。64号車はQ1で敗退、13番手から決勝をスタートしている。スタートを担当したのは伊沢拓也選手。8周目に10位、9周目に9位、11周目に8位、15周目に7位、24周目に6位、29周目に4位でピットインして大草りき選手へ交代。大草選手は、9位から32周目に8位、37周目7位、38周目に6位、40周目に5位、45周目に4位へ。そして47周目の最終コーナー先、10%勾配を上がりながらピットロード入り口付近を走行していた際、左側から突然アクシデントに巻き込まれたGT300車両が現れた。接触を避けようとしたが、彼の右側にはスペースがなく、GT300車両とガードレールに挟まれる形でクラッシュ、マシンは大破。幸いに大草選手には怪我はなかった。
64号車のタイヤに関するエンジニアリングを担当した方にお聞きした。今回ダンロップが供給してくれたタイヤは、現在のスポーツランドSUGO路面の周波数にとてもマッチしたものだった。そのためQ1敗退は本当に残念だったと。決勝に向けての自信はあり、順位アップは確実だった。事実、前述した順位アップのエビデンスを見れば、それは明らかだった。SUGOはコース路面が全面改修されている。かつてアスファルトの骨材(石)の凸凹が大きかったが改修によって小さく=フラットになってタイヤに与える周波数が高くなっている。この路面に対するコンパウンドとヒステリシスロスの相関性をマッチさせたことによって64号車のタイヤは決勝で安定した高いパフォーマンスを発揮した。
優勝した24号車のタイヤのパフォーマンスも高かった。できることなら24号車と64号車のトップ争いを見たかった。レースの大半をリードした39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraのタイヤパフォーマンスが低かったと言っているのではない。39号車は、燃料供給リストリクターが1段階装着されていたので、ストレートスピードとコーナーの立ち上がりでは完全に劣勢だったことを忘れてはならない。GT500クラスへタイヤ供給している各社は、高度で難易度の高いエンジアリングの闘いをしている。今回はマシンの足元を支えるタイヤについてスポットライトを当ててみた。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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