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Race2のGT500クラスで優勝した14号車・福住仁嶺選手
「このレースフォーマットどう思われます?」
と、何度聞かれたか。
SUPER GT第4戦は、「FUJI GT SPRINT RACE」として開催されましたね。今年の開幕当初は、このレースフォーマットの【噂】は、あったけれど、正式に決定したのは、1ヶ月くらい前ですかね。通常のレースフォーマットではなくて、土曜日のRace 1(GT500/GT300混走の35周)と日曜日のRace 2(クラス別の50分レース)で各予選、決勝は一人のドライバーが担当、ピットイン、給油などの義務無し。サクセスウェイトはゼロ。
モータースポーツファンにとっては、ひとつのイベントでふたつのレースが見られるのでお得な週末でしょうね。ボク自身、シーズンの半ばにノーウェイトで各ドライバーが勝負をすることに興味があった。そして、その時点でのマシン、チームの戦闘力が見える週末だった。戦闘力が確認できたというべきか・・・。GT500クラスでは、富士スピードウェイにおけるトヨタSupraの速さは、これまで通りだった。そしてGT300クラスでは、FIA GT3にGTA GTが喰らいつく展開だったけれど、GTA GTにとってはタイヤ無交換などの作戦が取れないレースフォーマットだったので、どう頑張っても劣勢は否めなかった。
Race2のGT500クラスは、ポールポジションからスタートする福住仁嶺選手がスタート前のインタビューで「硬めのタイヤを選択しているので、路面温度が低くなっているのでちょっと不安です」とコメント。レース後にブリヂストンタイヤメーカーの開発責任者にこのことを話すと「彼はいつも心配性ですから(笑)。でも、ちゃんとパレードラップとフォーメーションラップでウォームアップをしっかりしていただいていましたね。そして、2番手の山下健太選手も同じタイヤ選択だったので、どのようなレースになるかが注目していました」と。
レース後のウィナーインタビューでは、汗だくになりながらホッとした表情だった福住選手。背後に迫るヤマケン(山下選手)をミラーに確認しながら一瞬たりとも気が休まなかったことでしょう。そして3位に入った石浦宏明選手は、やや柔らかめのタイヤを選択していて、前の2台とはペースが異なった状況でも、着実にゴールへマシンを運んだ。今シーズンでGT500クラスの活動を終える石浦選手だけれど、まだまだ素晴らしいパフォーマンスを示した。
優勝した福住選手の14号車は、Race1では大嶋和也選手が1周目にクラッシュしてしまって、マシン左フロントが破損。メカさんは午前3時までかかりマシンを完全に修復。そして勝利につなげるという大役を成し遂げた。お疲れ様でした。そして、おめでとうございます。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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