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モーター スポーツ コラム 2025年5月1日

「What's Next?」を胸にーーバルテリ・ボッタス、静かなる挑戦

F1コラム by J SPORTS 編集部
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再び注目を集めているバルテリ・ボッタス

再び注目を集めているバルテリ・ボッタス

2025年、35歳のバルテリ・ボッタスがF1パドックに帰ってきた。かつてメルセデスで10勝を挙げ、コンストラクターズタイトル5連覇を支えた男は、今、リザーブドライバーという立場から再び注目を集めている。

レースの第一線からは一歩引いた。しかし、その姿勢に迷いはない。エンジニアミーティングへの出席、インカムを通じた全セッションのチェックーーいざという時に備える準備は怠らない。ボッタスは『Autosport』の取材で、その理由を「人々に、自分の名前を忘れてほしくない」と語っている。

コース外でも、彼は新たな発信を続けている。約480万人のフォロワーを抱えるInstagramでは、「F1 Explained with Valtteri Bottas(バルテリ・ボッタスが解説するF1)」というシリーズが人気を博している。スプリントフォーマットの仕組みやサードドライバーの役割といった専門的なテーマを、ユーモアを交えてわかりやすく解説。レースファンから厚い支持を集める理由も、そこにある。

また、プライベートの投稿では、東京五輪にも出場したサイクリング選手のティファニー・クロムウェルとの日常を垣間見せるほか、自ら手がけるクラフトジン「Oath Gin」やワインブランド「Ihana Wine」など、レース外の幅広い活動を紹介している。

そんなボッタスの“今”を象徴するのが、「What’s Next?(次は何だ?)」という言葉だ。2024年、ザウバーとの契約が満了し、F1シートを失った直後、太ももにこのフレーズをタトゥーとして刻んだ。この言葉はアパレルブランドにも展開され、売上の一部を突発的な失業に直面した家庭に寄付するチャリティーキャンペーンも開催した。皮肉と前向きさをあわせ持つこのスタイルもまた、ボッタスらしい。

そして今季、彼はもう一つの重要な役割を担っている。メルセデスが抜擢した18歳のキミ・アントネッリの“裏コーチ”だ。たとえば鈴鹿での日本GPでは、タイヤのウォームアップに苦戦するアントネッリに的確なアドバイスを送り、6位入賞を後押しした。『GPblog』によれば、アントネッリも「彼の助言は運転だけじゃない。タイヤや戦略、細かい部分まで気を配ってくれる」と感謝を述べているという。

そんなボッタスが静かに見据えるのが、2026年からF1に参戦するキャデラックのシートだ。若手と経験豊富なベテランを組み合わせる構想がある中で、ボッタスは“経験枠”として有力視されている。

だが、それが簡単な道ではないことも、彼はよく知っている。「このスポーツは、そういうものだ」と、ボッタスは冷静に『Autosport』に話している。巨大企業のプロジェクトである以上、そこには政治とビジネスが絡む。

今はまだF1の表舞台にはいない。しかし、確かな準備と豊かな経験を武器に、バルテリ・ボッタスは“次”のチャンスを虎視眈々と狙っている。

文:J SPORTS編集部

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