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安全が当たり前のモータースポーツは、多くの方の協力があって成り立っている
世の中どのような危険が待ち受けているかわからない。
先週、埼玉県の八潮市で起こった県道の陥没にはゾッとさせられた。予期できず、道路にポッカリと開いた大きな穴に落ちてしまったトラックを運転していた70歳代の男性は、いまだに救出されていない。地中に埋められている下水道管が破損し、その上の土壌を侵食して最終的に県道を陥没させてしまったという。日常多くの車が走行している県道に予兆も無くいきなり大きな穴が開くことを考えただけで背筋が寒くなる。この事件は、特定の場所だけに起こり得るわけでは無くて、自分の身の回りでも起こる可能性があるので二重に怖さが込み上げてくる。そして、男性の救出作業が進まない状況を見る度に、自然現象がもたらしたのではなく、人間が快適に暮らそうとして造ったものが大きな危険性を内包していることが怖さを倍増する。
安全が当たり前。快適で楽しくて当然。
モータースポーツはどうだろう。心配すべきことは、幾つもある。
その一つは、小欄で書いてきたことがあるがオフィシャル問題だ。レースイベント、国際格式のイベントにおいて十分なオフィシャルの人数を確保するのは大変になってきている。表面的には問題なく遂行されている各イベントの準備段階では、苦労が絶えない。まるで前記の事件のようで、怖さが高まってきている。地下で少しずつ問題が大きくなってきているのに、地表では問題がないように見えるということが問題。そして地面が陥没するように問題が発生した時には手が施せないようなこととなっているかもしれない。
また、トップカテゴリーのレースシリーズは、自動車メーカーの協力なくしては成立しないのが現状だ。未来永劫自動車メーカーがモータースポーツを支えてくれるという確約はない。
そして、他のスポーツとモータースポーツの組織的構造が異なる点も今後に変えてゆかなくてはならないと考える。
みなさんがご存知のサッカーのJリーグ、ラグビーのリーグワン、バスケットのBリーグなどの組織的構造とは違う。同じモータースポーツでも海外のそれ、特にアメリカンオートレーシングのNASCARと日本のモータースポーツは異なる。ここでは細かに何が違うのかは書かないけれど、端的にはお金の流れに違いがあってモータースポーツに携わっている人たちに利益の共有が均等ではないことが、今後の国内モータースポーツに悪影響を及ぼすのではないか…心配ばかりしているシーズンイン前の今日この頃なのである。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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