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ヤマハも新たに参戦!ドライバーも移籍多数のシーズン11が開幕/FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第1戦 サンパウロ(ブラジル) プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ昨季惜しくもチャンピオン獲得を逃したキャシディ
電気自動車の世界選手権フォーミュラカーレース「フォーミュラE世界選手権」のシーズン11(2024年〜25年)が南米ブラジルのサンパウロ市街地コースで早くも2024年12月7日(土)に開幕します。今シーズンもJ SPORTSは「フォーミュラE」の熱戦を生中継!今回は開幕戦「Sao Paulo e-prix」のプレビューと共に新たなシーズンに挑む顔ぶれを見ていきましょう。
さて、シーズン11は久しぶりに年をまたいでのスケジュールとなりました。年またぎはコロナ禍前のシーズン6(2019年〜20年)以来です。今季は南米ブラジル、中米メキシコ、中東サウジアラビア、北米アメリカ、欧州モナコ、アジアの東京、上海、ジャカルタ、そして欧州のベルリン、最終戦はロンドンという全10会場16戦のレースが組まれています。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第1戦 サンパウロ(ブラジル) 予選
配信期間 : 2024年12月7日午後9:25 ~
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FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第1戦 サンパウロ(ブラジル) 決勝
配信期間 : 2024年12月7日深夜1:35 ~
ここ数年は常設サーキットを使用するレースが増加傾向にありましたが、今季は全16戦中12戦が市街地またはそれに近いコースでの開催ということで、ようやく原点に戻りつつあるという感じです。昨年、日本のモータースポーツの歴史を変える画期的な開催となった「Tokyo e-prix」は2025年5月中旬に2戦がスケジュールされており、ますます日本での人気も高まりそうです。
そう、日本での知名度アップという意味では「ニッサン」に続いて新たなメーカーとして「ヤマハ」が今季から参戦することになりました。オートバイメーカーのヤマハ発動機がなぜフォーミュラEに参戦!?と疑問に思うかもしれませんが、ヤマハはトヨタとの業務提携で自動車の開発や部品製造を行っていることはカーマニアによく知られています。ヤマハはかつてトヨタ2000GTやレクサスLFAのエンジンや自動車用のサスペンションパーツを開発。さらに近年では電気自動車向けの電動モーターユニットの試作開発も同社の業務の一つになっています。
「ヤマハ」はイギリスのレーシングカーコンストラクター「ローラ」と手を組み、既存チームの「ABT(アプト)」のリソースに乗る形で「ローラ・ヤマハABT」として参戦します。「ローラ」はかつてフォーミュラニッポン(現・スーパーフォーミュラ)やインディカー、F1などのシャシーを製作するなど「フォーミュラカーと言えばローラ」というブランドでしたが、2012年以降はコンストラクターとしての活動が止まっていました。2022年に新体制となったローラが再び、レースの表舞台に戻ってくるという形になります。
ただ、フォーミュラEではシャシーは全車共通であるため、コンストラクターというよりは風洞実験施設や多くのノウハウを新チーム「ローラ・ヤマハABT」で活かしていこうという形です。チーム国籍はABTが持つドイツ国籍のままですが、ローラとヤマハの共同開発による新しいパワートレインで闘うことになります。パワートレイン開発・製造という意味では後発の新参になるので、どこまでの戦闘力を示すのかは未知数ですが、プレシーズンテストの結果は悪くはないものでした。ベテランでチャンピオン経験者のルーカス・ディグラッシ、そして今季のFIA-F2で優勝も飾った21歳のゼイン・マロニーを起用します。
その他のチームのラインナップも見ていきましょう。まずは悲願のドライバーズチャンピオンを獲得したパスカル・ヴェアラインは「ポルシェ」からの継続参戦です。ランキング6位のアントニオ・フェリックス・ダコスタと共にチャンピオン経験者同士でタッグを組みます。
また、惜しくもドライバーズチャンピオンを逃したものの、チームチャンピオンシップ、マニュファクチャラーチャンピオンシップでは圧勝した「ジャガー」もミッチ・エバンスとニック・キャシディの2台体制を継続します。2強チームは体制変わらずという形になり、今季もその勢いは続くでしょう。
一方ライバル勢ではドライバー変更が多数。チームランキング3位の「DSペンスキー」は東京で優勝したマキシミリアン・ギュンターが「マセラティ」から移籍し、ジャン-エリック・ベルニュと組みます。そして、「マセラティ」にはDSペンスキーからストフェル・バンドーンが移籍し、さらにマクラーレンからジェイク・ヒューズが移籍してきました。「DSペンスキー」「マセラティ」は同じステランティスのアライアンス下にあるチームですので、ギュンターとバンドーンがトレードされた形になります。
また、シーズン2勝をマークした「ニッサン」はオリバー・ローランドが継続し、ノーマン・ナトが復帰。残念ながら日本でお馴染みのサッシャ・フェネストラズは成績不振からシートを失いました。
ニッサンには新たにノーマン・ナトが加わった
ニッサンのパワートレインを使う「マクラーレン」はジェイク・ヒューズのマセラティ移籍により、代役参戦でポイントを獲得する活躍を見せた20歳のテイラー・バーナードがレギュラーシートを獲得。サム・バードと共に若手とベテランのラインナップになります。
シーズン9のチャンピオン、ジェイク・デニスがエースの「アンドレッティ」はデニスを継続起用し、ノーマン・ナトのニッサン移籍により、新たにニコ・ミュラーがクプラABTから移籍加入しました。チャンピオンらしく優勝も飾り、表彰台にも乗ったデニスでしたが、シーズン後半はやや失速。デニスはポルシェのパワートレインを使うチームで再起を誓います。
また、ジャガーのトップチームとして近年目覚ましい活躍を見せていた「エンビジョン」は昨年1勝もできませんでしたが、セバスチャン・ブエミとロビン・フラインスのラインナップを継続。かつてのトップチームだった「マヒンドラ」も低迷してはいますが、ニック・デ・フリースとエドアルド・モルタラが継続参戦します。
最後に昨年まで中国籍のチームとして参戦した「ERT」はアメリカ国籍のチーム「キロレース・コー」に体制を変更。昨年、ランキング最下位に終わったのですが、東京大会でポイントを獲得するなど時折速さを見せたチームです。今季はなんとポルシェのパワートレインを獲得。実はこのチームはちょっと見逃せない戦闘力を発揮しそうなチームです。ドライバーはミサノで4位に入ったダン・ティクトゥムに加え、ポルシェの育成ドライバーであるデビッド・ベックマンが加入。ポルシェのジュニアチーム的存在になるとも考えられ、チーム体制としてはかなり上昇気流に乗りそうです。
開幕戦の舞台、サンパウロは今年で3年目となるコース。現行のGen3シャシーになってから開催されているコースであり、シャシー、パワートレインのパッケージを継続しているチームにとってはデータが充分にあります。ドライバーは昨年のウイナーであるサム・バード(マクラーレン)が得意としており、ニッサンパワートレイン勢とジャガーパワートレイン勢が強さを見せています。オリバー・ローランド(ニッサン)も昨季3位表彰台を獲得しているので、ニッサン勢の躍進に期待。業績不振で苦境とも伝えられる日産自動車が元気を取り戻すため、良いニュースをもたらすことができるか注目です。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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