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モーター スポーツ コラム 2024年8月23日

スーパーフォーミュラ2024 Rd.5プレビュー 悔しい思いをしながらも“1勝目”を狙う者たち

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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デビューイヤーで悔しい展開が続いている岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権もシーズンの折り返しを迎え、今週末は栃木県のモビリティリゾートもてぎで第5戦が行われる。

まずは、今回も大会前に大きなニュースが飛び込んできた。テオ・プルシェールが突然離脱したことで、いまだに落ち着きを見せないITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車。そこに今回と第6戦・第7戦の富士大会でニック・デ・フリースが乗ることが決まったのだ。昨年の前半戦はF1に参戦し、今季はTGRの一員として世界耐久選手権に参戦している。

事前にテスト走行することもなく、いきなりのデビュー戦となるが、どんな走りを見せてくれるのか。注目の1戦となるだろう。

ここまでの今シーズンを振り返ると、開幕戦鈴鹿で優勝を飾った野尻智紀(TEAM MUGEN)がランキングをリードしている。第3戦SUGOでは赤旗途中終了となったため、優勝ではあるもののハーフポイントという形にはなったが、毎戦コンスタントにポイントを積み重ねている。

また第2戦では牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が参戦6年目で待望の初優勝を飾り、これまでの悔しさを乗り越えての勝利ということでパルクフェルメでの号泣シーンは、多くのファンの記憶に残っていることだろう。

さらに先月の第4戦富士では坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が逆転で4年ぶりの勝利。この週末は女性ドライバーだけで争われるKYOJO CUPも併催され、そこに参戦する斎藤愛未が優勝を飾り、夫婦同日優勝という快挙を成し遂げたことも大きな話題となった。

こうして歓喜の勝利を挙げているドライバーがいる一方で、“勝てそうで勝てない”状態が続き、悔しい思いをしているドライバーもいる。

なかでも悔しいレースが続いているのが、今季スーパーフォーミュラに初参戦する岩佐歩夢(TEAM MUGEN)だ。レッドブル育成ドライバーであり、この1年で結果を出してF1参戦への道に繋げようとしている。

岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

ここまで第2戦オートポリスでポールポジションを獲得。第3戦SUGO、第4戦富士と予選2番手につけるが、肝心の“SF初勝利”に手が届いていない状況だ。特に第4戦富士ではスタートで大きく出遅れたことが響いてしまい、今シーズン初めて決勝でノーポイントに終わるレースとなった。

過去、日本にやってきたレッドブル育成ドライバーをみていても、結果に対して厳しい目を持っているため、そろそろ1勝目という結果を出さないと来季以降に関わってくる可能性もある。現在F1で活躍中のピエール・ガスリーも初勝利を飾ったのは8月のもてぎだった。

速さは十分に証明しており、あとは最後のピースがうまく収まれば勝つのも時間の問題という状況。オートポリス、富士ともにスタートで順位を落としていることを考えると、そこを克服できれば、もてぎで初優勝という瞬間も見られるかもしれない。

2人目は太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だ。昨年の最終戦で自身初優勝を飾り、今年もコンスタントに上位争いを繰り広げている。

初勝利を挙げられたことで精神的にも余裕が出てきている様子で、シーズン序盤はどっしりと構えている雰囲気もあった。しかし、シーズン前半を終えて優勝だけでなく表彰台にも上がれていない状況。前回はロングランペースに手応えを感じているなかで決勝に臨むも、オルタネーターのトラブルでスタートできずに戦線離脱。「けっこう調子良かったので期待していたのですけど……」とやり場のない気持ちを押し殺して、現実を受け入れようとしている姿があった。

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

第3戦SUGO、第4戦富士とノーポイントに終わっていることもあり、首位の野尻から30ポイント以上の差がついている状況。チャンピオン争いのことを考えても、そろそろ大量得点が欲しいところだろう。太田らしいアグレッシブな走りに期待だ。

そして、前回の富士で一番と言っていいほど悔しい思いをしたと言えるのが、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)だ。今季チームを移籍し、開幕戦からポイント圏内でバトルを展開。第4戦富士ではチームに初のポールポジションをもたらした。決勝レースも序盤からリードしていったが、途中のピットストップでタイヤ交換に手間取って順位後退。悔しい4位フィニッシュ。レース後はかなり落胆した表情をみせていた。

今年はSUPER GTでもチームを移籍し、新たな環境のなかでいち早く結果を出したいと意気込んでいるが、SUPER GTでも第3戦鈴鹿で優勝間近というところでアンセーフリリースのペナルティを取られて2位に後退。参戦するトップ2カテゴリーでは相次いで勝てそうで勝てないレースが続いている。

福住仁嶺(Kids com Team KCMG)

それでも、トップ争いをするパフォーマンスを前回見せていたことを考えると、今回も上位に来る可能性は十分にありそう。先週のインタープロトシリーズでは、力強い走りで2連勝を飾っており、この勢いでもてぎ戦でもトップを狙う。

この他にも、ここまで結果を残せず悔しい思いをしているドライバーもいれば、上位に食い込めず悩んでいるドライバーもいるなど様々。もてぎはストップ&ゴーというレイアウトの特性上、かなり接近した戦いになるだろう。今回も予選・決勝ともに見逃せないバトルが展開されそうだ。

今回も夏休み期間中ということで多くのファンの来場が予想されるが、モビリティリゾートもてぎはシーズン一番の暑さになることで有名。加えて、もてぎは盆地にサーキットがあるので、暑さがさらに厳しくなる。また、もてぎのパドックは日陰になる場所がすくないため、現地観戦を予定している方は、今まで以上に熱中症対策を徹底していただければと思う。

それだけでなく、夏のもてぎは“雷雨”にも注意が必要。過去にはマシンの走行ができなくなるほどのゲリラ豪雨に見舞われたことがあるほか、パドック内の避雷針に落雷があったこともある。今週末も雨の予報が出ているため、ゲリラ豪雨にも注意しておくと良いかもしれない。

いずれにしても、今回も無事にレースが終わり、見応えあるバトルを期待したい。

J SPORTS オンデマンド番組情報

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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