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スーパーフォーミュラ
最近目にすることが少なくなってしまったものがある。
鉱石の標本。
山岳地帯の観光地では必ずと言って良いほどお土産屋さんで売られていた。小ぶりな箱の内側を四角に仕切って多くの鉱石がネームタグが付けられて収められていた。ネット販売/流通の最大手のサイトで調べてみたら【コレクション】として多くが販売されていた。まだ人気があるのだなと感じた次第。自然石を使った建築物の柱に化石が封じ込められていることがあり、それをルーペを片手に探し出すという趣味もあることを聞いたことがある。その様を他人がみたらどう思うだろうか。日本人は、石が好き?鉱石に関して日本は、その量は多くはないけれど、沢山の種類の鉱石が出土するので“日本は、鉱石の標本箱”と称されるらしい。
標本箱の鉱石ではないけれど、日本のモータースポーツのカテゴリーは、他国と比較しとても多い。サーキットレースを始め、ラリー、ダートトライアル、ドリフト、ジムカーナ、レーシングカート。数年前から手軽に参加できるオートテストも始まった。国内のシリーズではないけれど、F1、WEC、WRC、そして今年はフォーミュラEも国内開催された。
サーキットレースだけでも異なるシリーズが増えている。
ツーリングカーではSUPER GTをトップにスーパー耐久、FIA GT3車両によるシリーズ。ワンメイク車両で競われるシリーズは、エントリーモデルから世界に名だたるスーパーカーまで多種多彩なシリーズが展開されている。プロフェッショナルドライバーとジェントルマンドライバーの組み合わせで闘われる規定などの嗜好もある。ワンメイクのシリーズでは、スポーツカーとフォーミュラカーとの中間のような車両のVITAを用いたレースが全国各地で行われている。そのVITAを用いた女性ドライバー限定のKYOJO CUPシリーズは、2017年から。
フォーミュラでは、スーパーフォーミュラを頂点にFormula Lights、F4、FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPというシリーズも2020年から始まっている。その他にもフォーミュラのエントリーカテゴリーで国内4つのシリーズ展開がされてシーズンの終盤に日本一を決するスーパーFJは、日本独自に1980年から始まったFJ1600からの歴史を継承するシリーズ。まだまだ、サーキット独自に開催されているシリーズもある。ラリーは全日本以下、地方選手権や、ワンメイクラリーもシリーズ展開されていて、日本オリジナルのダートトライアル、ドリフトは世界へと羽ばたいている。現在のJAF競技ライセンスの発給数(2023年 ドライバー/エントラント/オフィシャル)は71,562。これは世界的にみても多い発給数であるとのこと。日本はモータースポーツの大国。
日本のモータースポーツの標本箱は、世界に誇れるものなのです。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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