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スポーツランドSUGOで開幕したGTワールドチャレンジ・アジア ジャパンカップ。
♪どこの誰かは知らないけれど、誰もがみんな知っている♪
これは、1950年代にテレビ放映されていた人気子供番組、月光仮面の主題歌。今考えると意味不明。
風呂敷をマントに見立ててヒラヒラ靡かせて、駄菓子屋で買った白縁のサングラスにガーゼの白いマスクしてこの歌詞を大きな声で歌いながら駆けずり回っていた子供達がいっぱいいた。
この歌を懐かしいと思っていただける読者はどれほどいるのでしょうね。
先週のスポーツランドSUGOでこのフレーズが浮かんだ。
♪疾風のように現れて、疾風のように去ってゆく♪
ピットロードを歩いていると、声を掛けられた。
前週も他のサーキトでお会いしたオフィシャルさんたちが月光仮面のように現れて笑顔で挨拶。
「お疲れさまです。毎週顔を合わせますよね」
「だってさぁ、レースが毎週あるからさぁ」
オフィシャルさんたちは、全国のサーキットを股にかけてレース運営の現場で活躍されている方も少なくない。前週は鈴鹿。この週は菅生。
各サーキットにはそれぞれのクラブが存在していて、クラブ員がオフィシャルとしてモータースポーツを支えてくれている。しかし、オフィシャルさんたちは、不足している。レースイベントを運営するための機能を整えるためには、そのサーキットに所属しているクラブ員=オフィシャルさんたちだけでは必要人員を集められなくなっていて、他のクラブに応援を依頼しているのが現状。だから、サーキットが違っていて、クラブが異なっているのに毎週顔を合わせるということが起きる。
まるで月光仮面のおじさんのように神出鬼没とは言い過ぎだが、さっと現れて、安全にレース運営を終えて、さっと去ってゆく。月光仮面と違うのは、ピンチの時に現れるのではなくて、ピンチにならないように、起こさないために尽力している。
♪月光仮面のおじさんは、正義の味方よ、良い人よ♪
♪オフィシャルの皆さんは、モータースポーツの味方よ、大事な人よ♪
モータースポーツファンが、サーキットでオフィシャルさんたちと言葉を交わすことはほとんどない。朝早くに現れて、夜遅くに去ってゆく。それがオフィシャル仮面なのです。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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