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モーター スポーツ コラム 2024年5月31日

富士3時間レースで垣間見えた2024GT500勢力図、果たして鈴鹿3時間はどうなる?

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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ホンダはCIVIC TYPE R-GTはホームコースで初優勝なるか!?

2024 AUTOBACS SUPER GTシリーズ。今週末に行われる第3戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキットで、前回と同様に3時間のフォーマットが導入される。昨年までと比べると周回数は増える見込みではあるが、3時間というフォーマットだと、特にGT500クラスは戦略の幅が少なくなる印象で、どのチームも均等割りでの対応になりそう。コース上でのペースとGT300との混走をうまく使って上位を目指していく戦いとなるだろう。

そんなGT500だが、今年からホンダはCIVIC TYPE R-GTを導入し開幕戦、第2戦と表彰台に上がる走りを披露。日産ZとトヨタGRスープラは、ベース車両こそ変わらないものの、エアロ部分を変更するなど様々なアップデートが施されている。

新しいパッケージで迎えている2024シーズンだが、第2戦富士を終えた時点で大まかな勢力図が見えてきた。

これまでストレート勝負と言えばGRスープラが他を圧倒する速さをみせていたが、岡山の開幕戦ではワンツーフィニッシュを飾った一方で、第2戦富士ではNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)の4位が最上位という結果。予選でみるとNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)の7位が最上位となった。もちろんサクセスウェイトの影響もあるので、一概に判断はできない部分もあるが、今季は“強い”と言われていた富士で苦戦を強いられたという印象は強い。

No.14 ENEOS X PRIME GR Supra

逆に昨年まで活躍していたホンダNSX-GTはコーナーで強い反面、ストレートで劣ることが多かった印象。これに対して今年デビューしたCIVIC TYPE R-GTは、第2戦富士でも力強い走りをみせ、予選でもNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)がポールポジションを獲得するなど、ライバルと競り合える速さを披露した。

もちろん、ひとつのレースだけで判断はできないところではあるが、パドックの雰囲気を見てもホンダ勢からは「富士で戦える」という手応えを感じる声が聞こえてきた一方、トヨタ側からは「得意の富士ではなくなった」という声が聞こえてきた。

これに対して日産勢は、第2戦富士でワンツーフィニッシュを飾ったのを見ても分かる通り、ストレートが多いコースでは相変わらず強そうな印象であることがうかがえる。

これらを加味した上で、今回の鈴鹿ラウンドはどうなるのだろうか。サーキットの特徴としてはコーナーが連続するというイメージではあるが、1周のアクセル全開率と平均スピードは富士を上回る。そのため、ストレートスピードも鈴鹿では重要な要素となってくる。

そうなると、富士と同様に日産とホンダの2陣営が抜け出そうな感じではあるが、トヨタ陣営もコーナーでの速さと、長距離レースでの粘り強さを活かすことができれば、上位に来る可能性は十分にあり得るだろう。

3メーカーともシーズンオフから鈴鹿でテストを繰り返してきたが、この初夏のコンディションで走るのは初めて。実際のところは走り始めてみないと勢力図は分からないという部分はあるものの、富士で垣間見えた勢力図の変化が、この鈴鹿でどう影響するかが、ひとつの注目ポイントになることは間違いない。

そして、早くも緊迫感が漂い始めているポイント争いに関しても目が離せない1戦となりそうだ。36号車とNo.3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)は今回から51kgを超えるため燃料リストリクター制限が入り、これまで以上に上位進出が難しくなりそう。その中で11月の最終戦に向けて何ポイント稼げるかが今回のレースのテーマとなってくるだろう。

No.3 Niterra MOTUL Z

同じように燃料リストリクターには入っていないものの、サクセスウェイトを25kg以上積む車両が5台いる。もちろんウェイトが一桁台の車両と比べるとハンデにはなるが、そこまで大きな差ではないため、今回のレースで大量得点を狙ってくるはず。その辺のポジション争いも激化していきそうな気配だ。

今シーズンも第3戦が終わると2ヶ月のインターバルを挟んで、富士と鈴鹿でもう一度ずつレースがある。そこでの勢力図にも関わってくるため、今季のチャンピオン争いを占う上で目が離せない1戦となりそうだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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