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近年より人気を高めているスーパー耐久シリーズ。
「水を飲むときには、井戸を掘った人のことを忘れない=飲水思源」
この中国故事に触れたのは、日中国交回復となった1972年。
中国の人民大会堂で行われる日中国交回復共同声調印式の直前に日本側記念式典出席代表団名簿に国交の正常化前から両国の交流にとても尽力した人の名がないことを当時の周恩来首相が知った。周首相は個人的にその人を招待して最大級の歓待をした。その人物が岡崎喜平太氏。その際に周首相がこの故事を伝えた。岡崎氏ついてはWEBサイトで詳細をお調べください。
先日、スーパー耐久シリーズの2024年開幕戦がスポーツランドSUGOで行われた。
その会場でスーパー耐久機構が6月から「一般社団法人 スーパー耐久未来機構」によって事業を継続することが発表された。そして、なんと新事業体の理事長にモリゾウこと豊田章男さんが就任!!
スーパー耐久の参加車両は、JAFのN1車両規定に沿った一番ノーマルに近い排気量別車両のクラスST-1~ST-5。TCR車両を用いたST-TCR。FIA GT4のST-Z、GT3のST-X、そして水素燃料やカーボンニュートラル燃料を使用した未来型の車両=ST-Qクラスという多くの車両が混走する。他のシリーズとは異なる柔軟なクラス設定など、とてもユニークでアクティブ。ツーリングカーの国内最高峰、SUPET GTが五輪クラスだったら、スーパー耐久は国体かな。参加型であり、クラスの多さによってレディー&ジェントルマンドライバーにも参加しやすい。それが、このシリーズの一番の魅力だろう。
スーパー耐久は、かつてN1耐久という名称でスタートを切っている。
1991年。モータースポーツが大好きで、楽しみたいというノンプロドライバーを中心に参加しやすいシリーズというコンセプトの下で有志が結成したのがN1耐久シリーズだ。その後、耐久レースが故にオイルクーラーの装着が必要になったり、エアロパーツの装着などJAFのN1車両規定の枠を超えた参加車両の必要性が生まれて名称をスーパー耐久へと変更した。その後TS-1~5だけだったものから新たなクラス設定が次々に行われた。1991年当時は、ここまでの展開を誰が思い描いたのだろう。この流れは、日本と世界のツーリングカーシリーズ事情を反映しているとも言える。
シリーズ理念は、N1耐久の発足当時と変わらない。これまでのシリーズ変革によって、自動車メーカーや部品メーカーの息のかかったチームの参加によって自動車産業に貢献してきた。
そして、2024年にリスタート。
走行思源=走るときには、1991年にシリーズを発足した人たちのことをドライバーは忘れない。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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