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プロローグに臨んだTOYOTA GAZOO Racing
先週末にJAF MOTORSPORT JAPAN 2024を開催しました。
土曜日は雲ひとつない快晴、しかし日曜日は雨天、それも氷雨。2006年からお台場で開催してきたイベントですが、終日雨というのは初めてでした。副運営事務局長をしていたので、日曜日は天を仰いで恨みましたよ。しかし、その雨の中でも多くの来場者がありました。ありがとうございます。来場者は2/24=38,448名 2/25=13,572名 合計52,020名。重ねてお礼申し上げます。
さて、今週は世界耐久選手権(World EnduranceChampionship=WEC)の開幕戦がカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで開催されます。
それに向けて2/24-25にプロローグ=事前テストが行われる予定だったのですが、スケジュールが変更された。それは、世界各地で紛争が起こっている影響がモータースポーツにも及んだのです。
多くのチーム、特にツーリングカー、GTクラスのチームが海運コンテナを使ってカタールまで車両とパーツなどを運んでいる。地中海からスエズ運河を通りアラビア半島の南西端、長靴型の踵に位置するバブ・エル・マンデブ海峡まで紅海を航行する予定だったけれど、パレスチナ人の武装組織ハマスとイスラエルの衝突に端を発して、紅海を航行する船舶を他の武装組織が攻撃。こうなるとコンテナを紅海に向けるわけにはいかなくなる。遠回りして南アフリカのケープタウン、希望峰を回ってカタールへというルートを選ばなくてはならなくなった。日数にて10日も多くかかるとのこと。これで、当初予定のプロローグが実施できなくなって、2日間後ろ倒しして月曜日、火曜日にプロローグが行われた。
これまで戦争や紛争がモータースポーツに影響があったといえば、ロシアのウクライナへの侵攻でロシア人ドライバー出走をどうするかというのを思い浮かべる。今回のようにレースに関わる流通にまで及ぶのは初めてかもしれない。
グローバルな視点から、モータースポーツのイベント開催は、特に国際イベントとなると近代国家、先進国への仲間入りをすための絶好のアピール。当然、開催国が平和であることが前提。モータースポーツに限らずスポーツは平和の象徴。WECのシーズンオープナーのホストであるカタールもアラビア半島に位置する平和国家だけれど、開催の直前のスケジュールが乱されることとなってしまったのは、単に流通、輸送の問題というだけで済まされない悲しい出来事であることは事実。
今年日本では、3月にFormula E、4月にF1。そして9月にWEC、そして11月にWRCが行われる。4つのワールドステイタスのイベントが行われることは、日本がいかに平和であるかの証明なのですね。感謝です。
今週末にはWECの番組に出演させていただきます。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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