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スーパーフォーミュラ第7戦
先週末にモビリティリゾートもてぎで開催されたスーパーフォーミュラ第7戦の中継にゲストとして招いていただきました。
国内トップフォーミュラの解説席に座ったのはとても久しぶり。そして【ゲスト】という立場は生まれて初めての経験でした。立ち位置がよく分からず、まずは、この一戦を楽しませていただこうと考えていました。
この第7戦は、モータースポーツ、フォーミュラカーレースのあらゆるアスペクトが凝縮されたものすごいレースでした。
今シーズンから車両がSF23に変更され、シーズンの当初はチームもドライバーも戸惑いながら闘っていたと推測します。シーズンが進み、終盤戦に入って、あらゆる面で熟成してきた。シーズンの中盤ではトップコンテンダーが怪我によって欠場するという事態もあった。終盤戦の山場になって役者が揃い、プロモーターの日本レースプロモーションが望み、目指していたものが結実してすごいレースとして披露された。それが今回のレースだったと思うのです。
スタート直後に2台のマシンが宙を舞うというショッキングなシーンもあった。幸いにこのアクシデントに巻き込まれたドライバーたちは大事に至らなかったことは幸いだった。事の発端となったのは、ポールポジションからスタートした野尻智紀選手にアウトから並びかけたリアム・ローソン選手が2コーナーでダートに出てコントロール不能となり、スピン状態でコース中央に入ってきてしまったこと。そこへ後続が避けきれずに突っ込み、同シリーズ最悪のアクシデントとなった。2連覇している王者、野尻選手に若きローソン選手がチャレンジしたが、互いに引けない状況に対しては、どちらにも非はなかった。
スタートでは、ルーキーの太田格之進選手が初のフロントロー、セカンドポジションでスタートできず、ポイントリーダーの宮田莉朋選手もアンチストールが機能してスタートできず…と波乱の始まり、そして赤旗中断。セーフティカースタートで仕切り直したレースは、至る所でオーバーテイクが見られ、かつてのようにスタートしたら一列渋滞で数珠繋ぎの周回を繰り返すという様相からそこいら中でバトルが演じられる全く目の離せない見事なレースが展開。その一方で勝者の野尻選手が淡々と王者の走りで中盤戦までの不振を一蹴し、チャンピオン3連覇への可能性を一気に引き寄せた。随所で見られたオーバーテイクシーンとテールtoノーズの超接近戦は、SF23の成せる技であって、それを参加チームが手中に収めて武器として互いに激しく順位を争った。最終イベントの鈴鹿2連戦は、見逃せない。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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