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モーター スポーツ コラム 2023年5月25日

まさに豪華競演!参戦ドライバーだけでも見どころ盛りだくさんの2023富士24時間レース

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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今年6度目の開催となる『NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース』。

今年も、国内で唯一の24時間耐久レースであるスーパー耐久2023第2戦『NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース』が、5月27日に富士スピードウェイで開幕。注目の決勝レースは、27日(土)15時にスタートし、24時間後の28日(日)15時にチェッカーを迎える。

2018年に始まって、今年で早くも6度目の開催となる富士24時間レース。シーズンの中で一番大きなポイントを得られる1戦ということで、各クラスで年間チャンピオンを狙うチームにとっては、絶対に落とすことができないレースとなる。そのため、今年も念入りに準備を重ねるところが多く、昨年以上に接戦かつハイレベルな24時間耐久レースとなりそうだ。

ここ数年は、コロナ禍でさまざまな制限が設けられていたが、今年は大幅に緩和されることもあり、例年以上に多くのファンが来場し、キャンプをしながらレースを楽しむ光景も見られるだろう。

そんな2023富士24時間レース。見どころはたくさんあるのだが、例年以上にSUPER GTやスーパーフォーミュラなど、国内トップカテゴリーで戦うドライバーが多いというのが、今回のレースの見どころかもしれない。

まずGT3車両で争われるST-Xクラスだが、なんといっても注目なのは昨年の富士24時間ウィナーであるNo.1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3だ。今季は鳥羽豊、平木湧也、平木玲次の3人がレギュラーを務めるが、今回は2人の外国人ドライバーが参戦する。ひとりは、昨年もこのチームに助っ人として参戦し、総合優勝の立役者となったショーン・トン。今回も優勝することになれば、自身としては3度目の富士24時間制覇となるだけに、今回も注目の存在となる。

昨年総合優勝を飾ったHELM MOTORSPORTS GTR GT3

もう一人はSUPER GTのGT500クラスでも活躍したヤン・マーデンボロー。日本でのレースは2019年以来で、スーパー耐久は初参戦となるのだが、日産GT-R GT3を駆っての24時間レースは経験豊富だ。間違いなく、チームにとっては力強い存在となるだろう。

これに対し、ST-Xクラスのライバルも強力。なかでも今季初参戦となるNo.31 中升 ROOKIE AMG GT3は開幕戦でも速さを見せていたほか、蒲生尚弥、平良響、監督を兼務する片岡龍也とSUPER GTドライバーがズラリと揃っており、24時間のどのパートでも、速さを見せてきそうだ。

今年はNo.819 DAISHIN MP Racing GT-R GT3として参戦するGTNETには、最多となる4度目の富士24時間総合優勝を狙う藤波清斗をBドライバーに起用し、いつも通りの安定した体制を築いている。本人も「この24時間に全てをかける」と、いつも以上に気合いが入っているだけに、目が離せない存在となることは間違いないだろう。

GT4車両で争われるST-Zクラスは、年々参戦台数が増えて盛り上がりを見せているが、今年はドライバーズラインナップも超豪華なことになっている。

今季から参戦している国内名門のIMPULには、現TGR-E副会長の中嶋一貴が、メーカーの枠を超えてエントリーすることとなった。このチームには指揮を執る星野一樹をはじめ、平峰一貴、大木一輝と3人の“KAZUKI”がおり、星野がTwitterで“4人目のKAZUKI”として、中嶋に冗談半分で呼びかけたことだが、そこから話が急速に進呈していき、“4人目のKAZUKI加入”が実現することとなった。まさにドリームチーム誕生である。

すでにドライバーとしては第一線を退いている中嶋が、日本のファンの前で久しぶりに走るチャンスということで、本当に見逃せない瞬間となるだろう。

さらにST-Zクラスには、牧野任祐がNo.34 SUN’S TECHNO AudiR8LMS GT4から助っ人参戦を果たす。普段はホンダのマシンでドライブする牧野が、アウディの車両でレースに臨む光景が見られるというのも、スーパー耐久ならではなのかもしれない。

開発車両が参加しているST-Qクラスは、各メーカーが本格的な布陣で、テスト参戦をする。No.32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptには、今年もヤリ・マティ・ラトバラが参戦。今年もWRCの世界で活躍したトップドライバーの走りが見られる。

今年はホンダ勢がST-Qクラスに初参入。HRCワークスとして初めて4輪レースに挑む。No.271 CIVIC TYPE CNF-Rには、市販車の新型シビックTYPE Rの開発ドライバーも務めた武藤英紀、伊沢拓也に加え、スーパー耐久での活躍経験も豊富な大津弘樹を起用。どんな走りをみせるのか、期待だ。

日産も昨年と同様にNo.230 Nissan Z Racing Conceptで参戦。ドライバー体制は平手晃平、佐々木大樹、高星明誠、松田次生と、SUPER GTのGT500クラスで活躍するメンバーをそろえた。

ST-2クラスにはスーパーフォーミュラで2年連続チャンピオンに輝いている野尻智紀が参戦予定だったが、先週末に肺気胸の診断を受け、残念ながら欠場を余儀なくされた。

その他にも、ここで紹介しきれていないトップドライバーが多数参戦しており、その顔ぶれを見ると、今までにないくらいの超豪華メンバーとなっている。

まさに“国内モータースポーツ界のオールスター戦”と言っても良い、2023富士24時間レース。現地観戦はもちろん、J SPORTSの生中継でも、その様子をぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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