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バウティスタ完勝で地元レースへ! | FIM スーパーバイク世界選手権2023 第4戦 カタロニア プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシトロフィーを持っておどけるアルバロ・バウティスタ
世界5メーカーのフラッグシップスポーツが争う「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」は第3戦・アッセンからヨーロッパラウンドがスタート。暖かくなり始めるこの時期から真夏、そして秋までヨーロッパを転戦します。第4戦の舞台はスペイン・バロセロナ近郊のカタロニアサーキットでの開催。今回は5月5日(金)〜7日(日)に第4戦のレースプレビューをお届けしましょう。
前戦オランダのTTサーキット・アッセンでのレースはまたもアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が席巻するレースとなりました。バウティスタは第2戦のスーパーポールレースでリタイアが1回あるだけであとは全て優勝。開幕11連勝を飾った2019年を彷彿とさせる勢いで大幅なポイントリードを築いています。
アッセンでは決勝3レースで優勝を飾ったほか、ポールポジションもファステストラップも全てアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が獲得。あまりに強すぎるパーフェクトウインでした。その勢いに乗って、バウティスタは母国スペインでのレースに挑むことになります。
カタロニアサーキットはカタロニア州の中心地バルセロナに近いため、サーキットの所在地がバルセロナと表現されることもありますが、実際には郊外のモンメロという街に所在する1周約4.7kmのコースです。MotoGPではカタロニアGPの開催サーキットとして知られていますが、WSBKはコロナ禍の2020年からの開催とあって、WSBKにはまだ馴染みの薄いコースと言えます。
毎年この時期にはF1のスペインGPが開催されているのですが、今年はWSBKを開催。なんと母国スペインのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が2022年のワールドチャンピオンという称号と共に、圧倒的な強さをもって凱旋するわけですから、盛り上がりは必至と言えるでしょう。
バウティスタはグランプリ時代に125ccクラスでポールトゥイン(2006年)、250cc時代に優勝(2009年)、MotoGPクラスでも最高位5位(2010年/スズキ)を筆頭に6回のトップ10フィニッシュをここカタロニアサーキットで達成するなど相性抜群のコースです。
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SBK バウティスタが40勝目!【ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権2023_第3戦 _TT・サーキット・アッセン(オランダ) SuperPole&RACE2(ドゥカティ― 400勝目)
ワールドチャンピオンを獲得した2022年もカタロニアで3連勝を飾るなど、プロダクションバイクベースのレースに転向してからも、その相性の良さと地元での強さは変わっていません。これはまたも3連勝しても何ら不思議ではないと思います。
2021年から最終シケインを使わない4.657kmのコースを使用し、コースレコードはアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が保有。この状況下でバウティスタの勢いを止めるライダーは現れるのか、ここでバウティスタの常勝街道をストップさせなければシーズンの流れは完全に彼のものになってしまいます。
ランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)は56点差。バウティスタがリタイアした第2戦・インドネシアのスーパーポールレースで1勝を飾ったのみになっています。シーズン前半は勝ち星が少ないスロースターターであることが恒例になっているラズガットリオグル。カタロニアではまだ優勝経験がありません。
ランキング3位にはラズガットリオグルのチームメイトであるアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)が上昇。アッセンのレース2で3位表彰台を獲得し、今季は4度の表彰台を獲得する活躍を見せています。2020年、圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したスーパースポーツ世界選手権時代もそうだったんですが、ロカテッリは安定感に優れており、昨年はリタイアなしの全戦完走。今季は全てのレースをトップ5で完走しているのです。
一方で今季2度のリタイアでランキング5位に沈んでいるのがジョナサン・レイ(カワサキ)。得意の前戦アッセンではバウティスタに追随する2位を2度獲得し、復調の兆しが見えてきてはいます。しかしながらバウティスタからすでに101点もの差をつけられており、逆転チャンピオンはいよいよ厳しくなってきています。
そんな中、好調な走り展開している注目ライダーといえば、今季WSBKではルーキーのドミニク・エガーター(ヤマハ)です。2021年、22年と連続でスーパースポーツ世界選手権でチャンピオンを獲得し、ヤマハYZF-R1での初シーズンに挑んでいるエガーターは、サテライトチーム体制ながら前戦アッセンのレース2でトップチームのトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)、アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)に次ぐ4位フィニッシュを達成しました。
鈴鹿8耐で1000ccのプロダクションバイクの経験があるエガーターなので、実力は折り紙付きですが、ラズガットリオグルのMotoGP転向も噂されている中、最も鼻息の荒いライダーと言えるでしょう。
ホンダ勢はイケル・レクオーナ(ホンダ)、シャビ・ビエルヘ(ホンダ)共にスペイン出身のライダーということで、こちらも地元レースでの飛躍に期待がかかりますが、レクオーナはアッセンで2度のリタイアを喫してしまい、ランキングは13位に下落。昨年の好調が嘘のように苦しいシーズンを強いられています。鈴鹿8耐の参戦ライダー候補とも言われる2人にとって、これからの数戦は結果を出さねばならない正念場と言えるでしょう。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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