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モーター スポーツ コラム 2023年2月8日

シーズンインを前にして考える~モータースポーツのこれから~

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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驚きがあったSUPER GTの日産陣営発表

立春が過ぎて国内外で2023年モータースポーツが徐々に動き出してきていますね。アメリカではインディシリーズの合同テストが行われて、日本でも活躍したマーカス・エリクソン選手がベストタイムを叩き出してテストを締め括った。海外のネットニュースで見た彼の勇姿は、優しい少年から逞しい青年になっていた。

国内では、SUPER GTのメーカーテストが行われ始めた。突然の積雪でテストが行えなかった日もあったようだけれど、3月の公式合同テスト前に各チームのウォームアップはすでに始まっている。GT500クラスでは、日産陣営の発表も行われた。しかし、そのラインアップは、少し首を傾げる内容となっていた。

この小欄を書いている前日には日本レース写真家協会(JRPA)さんの報道写真展【COMPETITION】の事前内覧会が行われて、2月7日から2月18日までキヤノンギャラリー銀座で一般公開されます。(日曜、月曜、祝日休館)
https://canon.jp/personal/experience/gallery/archive/jrpa-2023
6月20日からは、キヤノンギャラリー大阪でも同写真展が開催されますので、チェックしてみてください。

毎回JRPAの写真展には足を運ばせていただいています。会員が出展している渾身の写真の前に立つと、撮影したカメラマン一人一人のパワーが込められていて、その瞬間を捉えた念がものすごいオーラとして感じられる。その時間=瞬間、歴史、思い、感動、喜び、悲しみなど色々なものがそこに込められていて、文字がなくても、コメントがなくても、饒舌に雄弁に語りかけてくれる。写真の凄さ、その刹那を、時間を経た後に表現する力には、敬服するばかり。JRPA会員たちとは、モータースポーツの現場では、時に仲良く、時に・・・しながら報道という立場で頑張っています。

シーズンインを前にしているこの時期に、ある関係者から電話をいただきました。
その方は、日本のモータースポーツの将来を危惧していて、もっとしっかりとした組織を確立すべきとお仰っている。正論です。統轄団体のJAFさんがどうのこうのということではなく、例えばアメリカのNASCARのように運営団体として大成功を収め、今なお人気を博して運営されていることを日本でもできないものなのかと、語りかけてきた。ボクは、このエッセイに何度かモータースポーツ界ヒエラルキートップのF1と相撲界組織の類似点を挙げて、それを国内モータースポーツに少しでも導入できないものかと考えています。国内のトップカテゴリーは自動車メーカーが広げた翼下にある。もし、メーカーが飛び立ってしまったらと考えると怖くなってくる。それは、今後起こり得ないとは言えない。シーズンインまでの間、このテーマをこれまで以上に考えようと思います。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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