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モーター スポーツ コラム 2022年11月4日

日本から興す!SFルネッサンス

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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新たなエアロパッケージがテストされたスーパーフォーミュラ開発車両

第21回JAFグランプリ 全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦が終わりましたね。
鈴鹿サーキットで行われた2連戦イベント。土曜日も日曜日も好天に恵まれて、素晴らしい秋の空の下でレースが展開され、第9戦で野尻智紀選手が2年連続のチャンピオンに輝いた。そして第10戦の野尻選手の速さは異次元だった。本人は第9戦でチャンピオンを決めた後に燃え尽き症候群のようになっていたと明かしていたけれどファイナルレースでは、ポールから横綱相撲でゴールへ飛び込んできた。正に圧勝でしたね。野尻選手、そしてチームタイトルを獲得したTEAM MUGENおめでとうございます。

さて、今年最後のイベントを前にしてシリーズプロモーターの日本レースプロモーション(JRP)が行っている一連のカーボンニュートラル(CN)開発テストの第6回目が行われ、そこで新たなエアロパッケージがテストされた。各部のエアロパーツにナチュラルファイバー(麻)を用いているという。最終イベント直前にSNSでこの新エアロのチラ見せがアップされて興味をそそられたのなんのって。テストドライバーの石浦宏明選手と塚越広大選手によれば、追走した際に前の車が起こす乱気流が少なく、車間をつめることができ、鈴鹿のS字コーナーでラインがクロスしてもマシンが安定しており、スプーンコーナーから130Rの区間でオーバーテイクシステム(OTS)を使わなくともスリップから抜け出て並ぶことができるらしい。これはすごい事だ!富士のロングストレートではパッシングが二度三度と展開されるのじゃないかと想像するだけでウキウキしてくる。

鈴鹿の東コースで、そのテスト車両が走行を披露。開発中のマフラーによってエンジン音が秋の空に轟き、テストドライバーのコメント通りに2台が接近して走行してくれた。これまで、乱気流によって車間をつめることは難しかったがこの新エアロでよりパッシングが多くなるレースが展開されるのだろうことが想像できた。プロジェクトの開発陣は、想定以上の手応えを感じている。

JRPが標榜している「SUPER FORMULA NEXT 50」のCNも重要だけれど、やはりエキサイティングなレース展開があってこそ。それがレースの本質。醍醐味。ファンの本能をダイレクトに刺激する。

現行のSF19車両が、生まれ変わり、魅力的なシリーズへと生まれ変わる予感。
東洋の島国で起こっていることは、世界的に見ても注目されるべきムーブメント。
日本から興す【SFルネッサンス】の始まりだ。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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