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【FIM スーパースポーツ世界選手権2022 第10戦 サンファン・ビリクム(アルゼンチン)】ヤマハ以外のマシンも初優勝
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシドミニク・エガーター(ヤマハ)
中型スポーツバイクの世界選手権レース「スーパースポーツ世界選手権」がアルゼンチンのサーキット・サンファン・ヴィクリムで開催されます。いよいよここからヨーロッパの外に出るフライアアウェイ戦になり、残りは3戦6レースの戦いです。今回は10月21日(金)〜23日(日)に開催される「スーパースポーツ世界選手権・第10戦」のプレビューをお届けしましょう。
さて、まずは岡谷雄太が参戦した軽量級クラス「スーパースポーツ300世界選手権」の訃報から。最終戦のアルガルヴェ、レース1でチャンピオンの可能性を残していたヴィクター・ステーマン(カワサキ)が多重クラッシュにより転倒し、帰らぬ人となってしまいました。
ヴィクター・ステーマン(カワサキ)はオランダ出身のライダーで、事故に遭う3日前に22歳になったばかりでした。岡谷雄太(カワサキ)とはチームメイトで、最終戦を前に「MTM Kawasaki」はチームチャンピオンを決めたばかりでした。ランキング2位のライダーがレース中の事故で命を落とすというシーズン締めくくりになってしまった「スーパースポーツ300世界選手権」。ヴィクター・ステーマン(カワサキ)のご冥福をお祈りいたします。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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【オンデマンド限定】FIM スーパースポーツ世界選手権2022 第10戦 決勝レース2 サンファン・ビリクム(アルゼンチン)
配信期間 : 2022年10月23日深夜1:15 ~ 2022年10月23日深夜3:00
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FIM スーパースポーツ世界選手権2022 第10戦 サンファン・ビリクム(アルゼンチン)
配信期間 : 2022年10月24日午後11:00 ~ 2022年10月24日深夜1:00
さて、「スーパースポーツ300世界選手権」はヨーロッパラウンドで終了となりましたが、中量級「スーパースポーツ世界選手権」はアルゼンチン、インドネシア、オーストラリアと続くフライアウェイの転戦となります。昨年のチャンピオン、ドミニク・エガーター(ヤマハ)がシリーズをリードし、ランキング2位のロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)が追いかけるという展開になっており、残り6レースあり、両者のポイント差は45点で、最大に開いても95点ということで、今回のアルゼンチンではチャンピオンは決まらないという計算です。
今季、激しい戦いを繰り広げてきたドミニク・エガーター(ヤマハ)とロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)は来季は共に「スーパーバイク世界選手権」へとステップアップすることになりました。
エガーターは野左根、ガーロフが所属する「GRT Yamaha」からの参戦が決定。そして、ロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)は耐久レースでもお馴染みのフランス名門チーム「GMT94 Yamaha」からスーパーバイク世界選手権にステップアップすることになりました。
エガーターはMotoEでも世界チャンピオンを獲得するなど、キャリアとしては絶頂を迎えているベテラン。一方のバルダッサーリはMoto2で長く闘い、トータル5勝を挙げてきたキャリアの持ち主。共にグランプリのレーサーマシンから市販車ベースのプロダクションバイクに乗り換えても速さを見せています。
両者とも来季はプライベートチームからの参戦ということになりますが、今やスーパーバイク世界選手権もグランプリライダーを起用するのがトレンドになっていますから、彼らのステップアップは必然の流れと言えるでしょう。やはりバイクレースはライダーのポテンシャルこそが肝となりますからね。
ただ、市販車モデルの年式やポテンシャルに依存することが多い中量級「スーパースポーツ世界選手権」は長年続くヤマハの独走に歯止めをかけるべく、今季からレギュレーションを変更し、600ccクラスという枠組みを撤廃。性能調整によって様々なメーカーのマシンが参戦できるように改革を行いました。
959ccのドゥカティ・パニガーレV2、675ccのトライアンフ・ストリートトリプルRS、800ccのMVアグスタ・F3 800Rなどが参戦し、車種はバラエティが増えました。しかしながら、チャンピオンを争うのはヤマハYZF−R6という従来の主力マシンのライダー達となり、シリーズとしての思惑は外れたかに見えました。
そんな折、前戦・アルガルヴェ(ポルトガル)では初めてヤマハ以外のマシンが優勝を飾ることになりました。レース1で優勝したのはトライアンフです。Moto2世界選手権を5シーズン戦ってきたイタリア人ライダー、ステファノ・マンジー(トライアンフ)が2位、3位の表彰台に続き、ついに優勝を飾ることに。グランプリで経験豊富なライダー達がやはりここでも結果を残しています。
さて、次に勝つ意外な伏兵は誰か?チャンピオン争いと共に楽しみたいですね。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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