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モーター スポーツ コラム 2022年7月14日

【スーパーバイク世界選手権 第5戦 ドニントンパーク】6度の王者レイの母国レース、逆転なるか?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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先頭を走る65号車 ジョナサン・レイ

先頭を走る65号車 ジョナサン・レイ

排気量1000ccのスポーツバイクによる争い「FIMスーパーバイク世界選手権」は激しい優勝争いが続いています。ここまで4戦、12レースを消化して迎える第5戦はジョナサン・レイ(カワサキ)の母国、イギリスのドニントンパークで開催。今回は7月15日(金)〜17日(日)に開催される第5戦のプレビューをお届けしましょう。

アラゴン(スペイン)、アッセン(オランダ)、エストリル(ポルトガル)、ミサノ(イタリア)と転戦し、12レースが終わりましたが、今季優勝を「飾ったのはアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)、ジョナサン・レイ(カワサキ)、そして昨年の王者トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)の3人だけという状況はミサノでも続きました。

ミサノのレース1、レース2はアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の優勝、スーパーポールレースではチャンピオンのトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)がようやく今季初勝利を飾ることになりました。とはいえ、ロングディスタンスの通常レースではまたもやラズガットリオグルは勝てずじまい。今季は常に優勝を争うレースをしているのですが、ドゥカティ優勢の状況は変わらずとなっています。

シリーズポイントではミサノで2勝を飾ったアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)=220点が、レース2で表彰台を逃したジョナサン・レイ(カワサキ)=184点を大きくリード。その差は36点差ということになり、ジワジワとその差が広がりつつあります。ランキング3位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)=141点もスーパーポールレースで優勝は飾りましたが、今シーズンまだ通常レースでは勝てておらず、首位のバウティスタに対しては79点もの差が生まれてしまい。形勢逆転は難しくなり始めている状況です。

そんな中迎える第5戦の舞台はイギリス、ドニントンパーク。1988年に「FIMスーパーバイク世界選手権」の最初のレースが開催されたサーキットであり、イギリスはファンが多く、このシリーズで最も賑わいを見せる、いわば聖地的な場所です。

凄まじい下り坂と急激な上り坂を持つイギリスらしいサーキットのドニントンパーク。ここでのレースは伝統的にイギリス人ライダーが強いことでも知られています。現在レギュラー参戦するイギリス人ライダーはジョナサン・レイ(カワサキ)、アレックス・ロウズ(カワサキ)、スコット・レディング(BMW)の3人だけになってしまいましたが、3人ともにトップライダーであり、国内選手権である英国スーパーバイク選手権でも活躍したライダーですから、目の肥えた地元のファンからの熱い声援は絶大です。

そういう意味ではランキング2位で追いかけるジョナサン・レイ(カワサキ)はバウティスタとの差を詰め、流れを変えるビッグチャンス。2019年には3連勝を飾ってしますし、ミサノで勝てなかった悪い流れを断ち切ることができるか注目です。

追うカワサキのジョナサン・レイ、アレックス・ロウズの2人はドニントンパークのレースを前に来日し、鈴鹿8耐のテスト走行に参加。今年は「Kawasaki Racing Team」のスーパーバイク部隊が中心のチーム運営体制となっており、慣れたメカニックたちと精力的にテストをこなしていました。心配されるのは来日渡航の疲れです。

その鈴鹿8耐には「Team HRC」からイケル・レクオーナ(ホンダ)がテストに参加。レースライダーになることも決定し、鈴鹿を積極的に走り込んで経験を積んでいました。まだ経験の少ないレクオーナですが、ここまでスーパーバイク世界選手権ではランキング5位と好調。鈴鹿8耐で使うブリヂストンタイヤからスーパーバイク世界選手権のピレリタイヤに乗り換えた時のフィーリングの違いに戸惑わないか心配。彼にとっては新しい挑戦が続きます。

また、鈴鹿8耐のテストには走行はしていませんでしたが、一時帰国中の野左根航汰(ヤマハ)が来場。「去年は怪我で欠場したレースだったので、ドニントンパークは最初のセッションの3周しか走っていません」と語り、2年目ながら実質初めてと言えるドニントンパークにどこまでアジャストできるか、課題は山積みです。

また、今回のイギリス・ドニントンパークのレースには英国スーパーバイク選手権の2021年チャンピオン、タラン・マッケンジー(ヤマハ)、マン島TTレースのスターライダーであるピーター・ヒックマン(BMW)もワイルドカード参戦(=スポット参戦)を予定しており、サーキットの盛り上がりは必至。ここまでの4戦とは一味も二味も違う雰囲気のレースが楽しめそうです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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