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モーター スポーツ コラム 2022年4月22日

スーパーフォーミュラ2022第3戦プレビュー 序盤2戦の遅れを取り戻すのは誰だ!?

SUPER GT by 吉田 知弘
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今シーズン巻き返しを図りたい坪井翔(P.MU CERUMO・INGING)

4月9日に富士スピードウェイで開幕を迎えた2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。今年から新導入された2レース制を経て、今週末には鈴鹿サーキットで早くもシリーズ第3戦が開催される。

序盤2戦を終えて、1位・2位をそれぞれのレースで分け合った野尻智紀(TEAM MUGEN)と平川亮(carenex TEAM IMPUL)がポイントランキングで一歩リードしている状況で、今年はこの2人がチャンピオン争いの主役になるのではないかという見方も強まっているが、昨今のスーパーフォーミュラは誰が勝ってもおかしくないほど差が拮抗しており、この時点で2人が有利と決めつけるのは、実際のところ早計だ。

というのも、今回の舞台となる鈴鹿サーキットは、富士スピードウェイと比べてコース特性が少し違う。つまり開幕2連戦で調子が良かったからといって、鈴鹿でも速さが期待できるかというと、一概にはそう言えないのだ。

実際、3月に同地で行われた公式テストでも、野尻は鈴鹿でのパフォーマンス向上を課題に掲げていた。

「今年は鈴鹿が全3戦に増えるので、鈴鹿サーキットをどうにか攻略したいなというところに主眼を置いて、このテストを進めているという感じです」

「テストで色々な確認は進んでいますけど、(手応えとしては)いま一歩かなと言う感じです。ちょっと良くない問題を鈴鹿大会までにクリアできればと思っています」

平川も、テストでのタイムリザルトをみると上位につけていたが、かなりマシンの動きに違和感を感じており、スピンを喫する場面も見られた。鈴鹿テストを終えて「ちょっとハマっています」と、いつになく険しい表情を見せていたのが印象的だった。

この問題に関しては、開幕の富士大会で改善されたという話もあるが、いざ鈴鹿に来た時に、同じような高いパフォーマンスが出せるかというのが、レースウィークが始まってみないと分からないところだ。

そんな野尻と平川に、この鈴鹿ラウンドで何としても追いつきたいと思っているのが、その他のライバル勢だ。なかでも注目なのは、3月の鈴鹿テストではトップタイムも記録するなど復調の兆しを見せた山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)だ。富士の2連戦ではチームメイトの大湯都史樹とともに後方に沈んでしまったが、テストの時のように歯車が噛み合えば、久しぶりの優勝も見られるかもしれない。

同じく、3月の鈴鹿テストで速さをみせた坪井翔(P.MU CERUMO・INGING)も要注目。2020年はシーズン2勝を飾る活躍を見せたが、昨年は思わぬ苦戦を強いられてしまった。開幕大会では悪い流れを脱却しきれていない感じではあったが、鈴鹿テストでの好結果は少なからず今週末の第3戦に活きるはず。朝のフリー走行からどんなタイムを出してくるのか、楽しみなところだ。

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昨年は大苦戦を強いられたKONDO RACINGも目が離せない存在だ。開幕大会ではサッシャ・フェネストラズが第1戦で3位、山下健太が第2戦で4位と久しぶりに上位に食い込むレースを披露した。このチームには今年から国内トップフォーミュラでも活躍経験のある元レーシングドライバーのミハエル・クルム氏がアドバイザーに就任し、主にフェネストラズの通訳を担当しているほか、2人のドライバーのアドバイザーとして活躍。近藤真彦監督も、彼の働きぶりに期待を寄せている。

こういったチーム体制面の変化も、復調の一助となっているに違いない。

そして、伏兵的存在であるのが、今季から2台体制で参戦を果たしているTeam Goh。開幕大会では第1戦の予選で佐藤蓮が2番手に食い込んだほか、第2戦決勝では三宅淳詞が上位争いの一員に加わり、5位フィニッシュを記録した。

第1戦では予選2位を獲得した佐藤蓮(Team Goh)

2人とも鈴鹿サーキット・レーシング・スクールの出身で、このコースは誰よりも走り込んでいるといえる。そういった要素がプラスに働けば、ルーキードライバーたちの初表彰台や初優勝も見られるかもしれない。

今回は1レース制ということで、土曜日に90分間のフリー走行と予選、日曜日には午前に30分間のフリー走行、そして午後に決勝が行われる。各チームともじっくりとセッティングを煮詰められる分、開幕大会より僅差のバトルになることも予想される。

その中で、集団から抜け出て勝利を手にするのは誰なのか。今週末の鈴鹿大会も、ぜひお見逃しなく。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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