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モーター スポーツ コラム 2022年4月19日

【FIM スーパースポーツ世界選手権 第2戦アッセン:プレビュー】王者エガーターに強烈なライバル登場!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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トップでフィニッシュする77号車エガーター

トップでフィニッシュする77号車エガーター

中型スポーツバイクの世界選手権レース「スーパースポーツ世界選手権」、そして日本人ライダーの岡谷雄太が参戦する「スーパースポーツ300世界選手権」がスペインのモーターランドアラゴンで開幕し、ヨーロッパを転戦するシーズンがいよいよ始まりました。J SPORTSでは「スーパースポーツ世界選手権」と「スーパースポーツ300世界選手権」を放送中です。

まず、日本で初放送となった「スーパースポーツ300世界選手権」は筆者(辻野ヒロシ)もレース1の実況を担当しましたが、軽量級バイクのレースらしい接戦で最後まで面白いレースになりました。レース1では岡谷雄太が激しい3位争いを展開し、僅差で表彰台を逃す5位完走となりました。一方、レース2ではリタイア。ノーポイントレースを作ってしまいましたが、今季チャンピオン争いを展開する岡谷の今後に大いに期待が高まります。

そして、今季からドゥカティ・パニガーレV2、トライアンフ・ストリートトリプルRS、MVアグスタ・F3 800RRが加わって興味深い戦いになった「スーパースポーツ世界選手権」も注目が集まっています。

開幕戦アラゴンの優勝争いは昨年のチャンピオンであるドミニク・エガーター(ヤマハ)に加えて、同じヤマハYZF−R6に乗るルーキーのロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)が優勝と2位を分け合う形となり、ともに優勝1回、2位が1回で同点のランキング首位となりました。

共に長く、グランプリ(ロードレース世界選手権)のMoto2クラスで活躍してきたライダーである2人の優勝争いは見応えがありましたね。近年は「スーパースポーツ世界選手権」でMoto2出身のライダーが速さを見せるパターンが続いていますが、去年、実力実績共に飛び抜けていたドミニク・エガーター(ヤマハ)についに強力なライバル登場といった印象を受けた開幕戦でした。

今季、Moto2から転向してきたロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)はイタリア出身の25歳。2014年からMoto2を8シーズン戦ってきたライダーで、過去に5回優勝していますからMotoGPファンにはお馴染みのライダーだと思います。

2018年にはMoto2でランキング5位になり、2019年は開幕2連勝。昨年はMVアグスタでMoto2を走っていましたが、今季はシートを喪失。心機一転、かつてのライバルであるエガーターがチャンピオンを取った「スーパースポーツ世界選手権」に参戦してきました。

そして予選ではいきなりポールポジションを獲得し、さらにレース1で優勝。レース2はエガーターに優勝を奪われたものの、「今日はドミと素晴らしいレースができた。最終コーナーでやられてしまったけど、良いシーズンのスタートが切れた」とバルダッサーリ。彼の所属するチームはかつてランディ・クルメナッハーを起用し最強を誇った名門「Evan Bros. WorldSSP Yamaha Team」ですから、チーム力は磐石。そこに加わったMoto2スプリンターの素晴らしいパフォーマンスに注目が集まっています。

そして、開幕戦アラゴンのレース2で優勝を飾ったのもMoto2ライダーのニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)。初参戦となったドゥカティ・パニガーレV2をいきなりの表彰台へと導きました。ということで、レース2はMoto2出身のライダーが表彰台を独占する形となり、「スーパースポーツ世界選手権」は今、新しい風が吹いていると言えます。

さて、4月22日(金)〜24日(日)に開催される第2戦の舞台はオランダのTTサーキット・アッセン。MotoGPのオランダGPの舞台として外せない名ロケーションでの戦いは、やはり元Moto2ライダーたちが格の違いを見せそうな予感です。

ドミニク・エガーター(ヤマハ)はアッセンで昨年ポールポジションから優勝していますし、Moto2時代に表彰台にも上がっています。一方、ロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)は5位が最高位で、相性はあまりよくない感じ。ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)はMoto2時代はポイントを獲得できずに終わっているということで、3人の争いになるならば、昨年の経験もある分、エガーターがやや優位な状況でしょうか。

しかし、オランダのTTサーキット・アッセンは天候が変わりやすいことでも有名。雨が降れば、意外な伏兵が現れてくるかもしれませんね。

今季は新たに3車種のバイクが加わったことで上位はほとんどヤマハという昨年までの状況が一変したシーズン。レース1でレースをリードしたカン・オンジュ(カワサキ)も昨年以上に戦えそうな勢いがありますし、アッセンではシーズンの流れが見えてくることでしょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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