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モーター スポーツ コラム 2022年4月14日

2022SUPER GTシーズンプレビュー『新世代台頭の予感』

SUPER GT by 吉田 知弘
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宮田莉朋、サッシャ・フェネストラズというフレッシュコンビで臨むNo.37 KeePer TOM’S GR Supra

待ちに待った2022年のSUPER GTシリーズが4月16日・17日に岡山国際サーキットで開幕を迎える。

今シーズン、GT500クラスでは日産は新型Zを投入し、ホンダもタイプS仕様のNSX-GTに変更。陣営として連覇を狙うトヨタもGRスープラをさらに進化させ、マシンの部分で注目が集まっている。またGT300クラスも、トヨタGR86やBMW M4 GT3など新マシンが続々と登場。開幕前のテストでも、その戦闘力はいかなるものなのかと、他のチームがかなり警戒している様子だった。

だが、2022年の注目ポイントはそれだけではない。ドライバーズラインナップを見ても、見どころの多いシーズンとなっている。

【3メーカーそれぞれに見どころのあるGT500ラインナップ】

各陣営とも、少しずつ世代交代が進んでいる印象で、ホンダは2019年から2021年にかけて牧野任祐、福住仁嶺、笹原右京、大湯都史樹がGT500クラスのメンバーに加わり、早速レースでもキレのある速さをみせている。当初はドライバーの入れ替えも多かったホンダだが、今年はほとんど体制に変更がない。各コンビが定着してきたという証拠なのかもしれない。

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これに対して、今季はまさに“世代交代”の動きをみせているのが、トヨタ勢だ。2015年からSUPER GTに参戦し、チャンピオン経験もあるヘイキ・コバライネンが昨シーズンいっぱいでシリーズ離脱を発表したほか、国内外でトヨタ陣営のエースとして活躍してきた中嶋一貴も現役引退を表明した。

その一方で、2022年のトヨタ勢のラインナップをみてみると、国内トップカテゴリーにステップアップばかりの若手ドライバーが多くいる。2020年にGT500へステップアップし、昨年は2度のポールポジションを獲得した宮田莉朋は、陣営の中でも実績豊富なNo.37 KeePer TOM’S GR Supraに移籍。サッシャ・フェネストラズとコンビを組む。さらに、昨年のチャンピオンマシンであるNo.36 au TOM’S GR Supraには元F1ドライバーであるジャン・アレジの息子、ジュリアーノ・アレジが加入した。父親譲りのアグレッシブな走りを披露し、スーパーフォーミュラで初優勝を飾るなど、国内レース界での評価も日に日に上がっているジュリアーノ。昨年のチャンピオンである坪井翔とのコンビに注目だ。

またNo.19 WedSport ADVAN GR Supraには、昨年37号車で代役参戦を果たしたほか、GT300クラスでも優勝経験のある阪口晴南がレギュラーシートを獲得した。かつては山下健太、坪井、宮田が活躍した19号車で、どんなパフォーマンスをみせるのか。こちらも目が離せない存在となるだろう。

こうして、今年のトヨタ陣営には22歳のドライバーが4人登場。いずれも勢いに乗っている注目株ばかりということで、シーズンを盛り上げてくれる存在となりそうだ。

そして、新型Zにマシンをスイッチする日産勢。他の2メーカーと比べると若手ドライバー加入の動きはなかったが、4チーム中3チームでコンビを変更した。No.12 カルソニック IMPUL Zには平峰一貴の新パートナーとしてベルトラン・バケットが加入。No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Zは千代勝正、高星明誠のコンビとなり、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zは佐々木大樹と平手晃平がコンビを組むこととなった。

日産勢はZ GT500のデビューイヤーで復権を図ることができるのか?!

日産勢全体で見ると新加入してきたのはバケットのみで「代わり映えしない」という声もあるかもしれないが、開幕前のテストを取材していると、この新体制が思いの外うまく機能している模様。SUPER GTはシーズンを通した総合力が重要になってくることを考えると、展開次第ではライバル陣営を脅かす可能性も十分に秘めている。

これに新登場のZが高いパフォーマンスを発揮すれば、陣営としては2015年以来となるチャンピオン獲得も見えてくるかもしれない。

現時点では、ほぼ横一線で、頭ひとつ抜け出ている陣営がない状況のGT500クラスだが、最終戦での劇的な結末でチャンピオン争いが決着した昨年・一昨年に匹敵するほど、見どころの多いシーズンになることは確実だろう。まさに“1戦たりとも見逃せない2022シーズン”になりそうだ。

【GT300クラスも注目の若手が続々登場】

No.55 ARTA NSX GT3からSUPER GTデビューとなる木村偉織は要注目だ。

GT300クラスにも、今年注目の若手ドライバーや新人ドライバーが続々と登場にしている。

まずは昨年のFIA-F4でシリーズチャンピオンを獲得した野中誠太は、つちやエンジニアリングに加入することになった。同チームは今年からJAF-GT仕様のGR Supra GTにマシンを変更。メインフレーム以外は自社で製作したオリジナルモデルで戦う。完成が開幕直前となり、十分なテストをこなせていないが、GT500チャンピオンを輩出してきている名門チームで、どのような進化を遂げるのか、注目だ。

野中と同じく、昨年のFIA-F4を戦った木村偉織も、今シーズンSUPER GTデビューを果たしNo.55 ARTA NSX GT3をドライブする。ホンダの育成ドライバーとして、注目を集めている1人で、今季は並行してスーパーフォーミュラ・ライツにも挑戦している。初めてのSUPER GTでどんな走りをみせてくれるのか、こちらも期待が高まる。

野中、木村ともカートで才能を発揮し、レーシングスクールを経てSUPER GTの舞台に辿り着いているのだが、No.5 マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号からデビューを果たす冨林勇佑は近年注目が集まっている“eスポーツ出身”のレーシングドライバーだ。
グランツーリスモSPORTの世界大会で優勝を果たすなど、eスポーツ界では輝かしい実績を残しているのだが、2018年から本格的に4輪でのレース活動をはじめ、2020年と2021年にはスーパー耐久のST-3クラスでシリーズチャンピオンを飾った。

こうした活躍が認められ、今年はついにSUPER GTのレギュラーシートを獲得。eスポーツ出身ドライバーが、国内最高峰のツーリングカーレースで、どのような走りをみせるのか、注目したいところだ。

この他にも語り尽くせないほどの見どころがある2022シーズンのSUPER GT。その模様を現地で観戦していただくことはもちろん、ぜひJ SPORTSで激闘の様子を追いかけてみてほしい。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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