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スタイリングとカラーリングが今もなお人気を誇る「ランチャLC1」
1982年に世界耐久選手権レースが富士スピードウェイで開催されました。
ポルシェのワークスチームが965を提げて乗り込んできて、その対抗馬は、イタリアのランチャLC1。そのランチャの足元を支えていたのはランチャと同じイタリアのピレリタイヤ。ピレリが富士に持ち込んだドライタイヤは、スリックなのだけれど、2種類から3種類のコンパウンドを配したハイブリッドタイヤだった。タイヤのプロファイル(形状)もショルダー部がイン側とアウト側で異なるアシンメトリコ(非対称)となっていた。
ポルシェとランチャのマシンについてモータースポーツ誌のauto technicに寄稿した森脇基恭さんが解説をしている。
「ハイブリッドタイヤが本当に必要かどうかは私にはわからない。しかし、ハイブリッドタイヤを作れるという技術は驚異的だった」
今から40年前のこと。その時ボクは初めて<ハイブリッド>という言葉に触れた。複数のものを組み合わせて互いの良い点を組み合わせ、より良いものを生み出すというこの意味に感動すら覚えた。今やハイブリッドカーの存在が当たり前となって、ハイブリッドは、特別なものではなくなった。そして、ボクの認識は、今なおハイブリッドとは良いものだということには変わりない。
この1ヶ月、不快でしょうがない。
怒りさえ感じる。
ハイブリッドが悪い印象で伝えられている。
ロシアのウクライナへの侵攻を報じるテレビで解説者が「これは、典型的なハイブリッド型の戦争ですね」と言うのを聞き、戦争にハイブリッドという言葉を使うなと抗議したい気持ちでいっぱいだ。侵攻の実行とSNSや他の情報戦略を用いたり、経済的な圧力をかけ、複数の方法で互いを苦しめることをハイブリッド戦争と称している。今回の戦争でこう呼ばれる前から、とっくにこう呼ばれているというけれど、SNSの威力によつ情報発信、プロパガンダに利用しとうとしている様は、胸が悪くなる。
40年前に知ったハイブリッド。素晴らしいことを示す言葉と信じていたものを侵略戦争になど使って欲しくない。それでは、ハイブリッドの対義語はというと、<サラブレッド>となる。いずれにしても侵略することなど絶対に良くない。世界中に常に平和な時間が流れることを祈るばかりです。平和な日本で今週末には国内トップフォーミュラシリーズがスタート。モータースポーツが行えることに感謝して取材に向かいます。
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文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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