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モーター スポーツ コラム 2022年4月6日

【FIM スーパーバイク世界選手権2022 第1戦 アラゴン(スペイン):プレビュー】いよいよ開幕!ヤマハの連覇か、カワサキの逆襲か?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ジョナサン・レイ

プレシーズンにテスト走行するジョナサン・レイ

排気量1000ccのスポーツバイクの頂点を決める「FIMスーパーバイク世界選手権」の2022年シーズンがいよいよスタート。今年もJ SPORTSでは全12戦に渡って開催されるシリーズを放送します。

以前はアジア・オセアニア地域のサーキットで3月に開幕するパターンが多かったのですが、コロナ禍ということもあり、今季も4月にヨーロッパから開幕。終盤戦に南米、東南アジア、オセアニアへと飛ぶスケジュールになっています。全12戦で争うシーズンのフォーマットは、土曜日にレース1、日曜日にスーパーポールレース、そしてレース2を行うという3レース制で変わらず、全36レースでチャンピオンの座を争います。

さて、まずは昨年を振り返りましょう。2021年のシリーズチャンピオンに輝いたのはヤマハ。そのエースであるトルコ人ライダー、トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)が6連覇していたジョナサン・レイ(カワサキ)を打ち破り、25歳の若さで頂点に昇り詰めたのです。

ヤマハのチャンピオン獲得はベン・スピーズ(2009年)以来12年ぶり。メーカーのマニュファクチャラーズ選手権でチャンピオンに輝くのは芳賀紀行、トロイ・コーサーらが走った2007年以来14年ぶりのことでした。

国内では鈴鹿8耐や全日本ロードレースでヤマハYZF−R1が最強マシンとして君臨していますが、スーパーバイク世界選手権ではかなり長い間、チャンピオンから遠ざかっていました。しかし、国内で連覇を続けてきたヤマハは数年前から市販車レースの最高峰「スーパーバイク世界選手権」の体制を強化。日本のファクトリーチーム(ワークスチーム)のリソースやノウハウを提供し、フルワークス体制のカワサキに勝負を挑めるようになり、ついに大逆転を成し遂げたのです。

かつてカワサキで次期ワークスライダーと目されていたラズガットリオグルは鈴鹿8耐での起用方法を巡り、カワサキ離脱を決断。2020年にヤマハに移籍し、昨年カワサキを撃破したわけです。このチャンピオン獲得はラズガットリオグルの実力、そして意地がもたらした部分が大きいとも言えるでしょう。

最強マシンはやはりカワサキZX−10RRです。今年も元チャンピオンという立場になったジョナサン・レイ(カワサキ)とアレックス・ロウズ(カワサキ)がファクトリーチーム「Kawasaki Racing Team」から参戦します。

また、ヤマハのライバルになりそうなメーカーは昨年マニュファクチャラー選手権では2位になったドゥカティ。今季はファクトリーチーム「Aruba.it Racing Ducati」にアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が移籍します。彼は2019年、ドゥカティ・パニガーレV4Rで開幕11連勝を達成したライダー。鈴鹿8耐参戦を見据えてか、2020年、2021年とホンダに浮気をしていましたが、今季は3年ぶりにドゥカティのエースとして招聘されました。バウティスタは今季の台風の目になることでしょう。

一方、ドゥカティを離脱しBMWに移籍したのがスコット・レディング(BMW)。2年連続でジョナサン・レイ(カワサキ)のライバルとしてドゥカティ躍進の重要な戦力として活躍しましたが、なんと昨年メーカーでは4位のBMWに移籍しました。BMWは新型マシンのBMW M1000RRを投入し、新車特有の優位性を活かし躍進するかと思われましたが、優勝はスーパーポールレースの1回のみ。ただ、今シーズンは熟成も進み、レディングとマイケル・ファンデルマーク(BMW)のコンビで戦闘モードです。

近年、ちょっと厳しい結果が続いているのがホンダ。ファクトリーチーム「Team HRC」での参戦ですが、ホンダCBR1000RR−R投入後も勝利はなく、2016年にニッキー・ヘイデンがマレーシアで優勝して以来、5年も勝利がありません。バウティスタ、ハスラムというベテランをもってしてでも厳しい状況だったホンダは今季思い切って選手のラインナップを変更。MotoGPライダーのイケル・レクオナ(ホンダ)、Moto2ライダーのチャビ・ビエルゲ(ホンダ)を起用します。

日本勢としては「FIMスーパーバイク世界選手権」参戦2年目となる野左根航汰(ヤマハ)に期待したいところです。日本国内のレースで育ってきた野左根にとっては初めて走るコースがほとんどで、怪我による欠場もあったため、昨年はランキング14位と低迷。しかし、最終戦インドネシアのレース2ではチームメイトに次ぐ7位で自己最高位を更新。今季はさらなる成長が楽しみです。

また、森脇緑が代表を務める「MIE Racing Honda Team」にはマレーシア出身の元MotoGPライダー、ハフィズ・シャーリン(ホンダ)が加入。チームとしての浮上に期待です。

開幕戦の舞台はMotoGPアラゴンGPの舞台でもあるモーターランド・アラゴン。新人含め、多くのライダーが走行経験があるコースでシーズンのスタートダッシュを決めるのはどのライダー、どのチームでしょうか?

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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