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モーター スポーツ コラム 2022年2月9日

失格

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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スーツの規定違反によりジャンプ混合団体ノーマルヒルの1本目が失格となってしまった高梨沙羅選手。

北京に行ってきました。
オリンピックではなくて、事務所近くの【北京飯店】に。
定食が美味いです。

さて、J SPORTSのウインタースポーツ番組でお馴染みの小林陵侑選手がジャンプのノーマルヒルで期待通りに金メダルを獲得。追い風で不利という状況の中での大ジャンプ。理論的には不利な状況で距離を伸ばすことができるのは、解明が難しいらしい。テイクオフのタイミングと飛行中、空中の前傾姿勢が美しいのは、素人が見ていても分かる。ジャンプ競技は、大きな道具は、スキー板のみ。シンプル。その中で違いを出すのは、やはり天性の才能なのか。

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モータースポーツで使う道具は、複雑な機構でセッティングができるレーシングマシン。セッティング能力(チーム力)が差を生み出すことは十分あるが、最終的にはそのマシンを操るドライバーのドライビングスキル。その点では、ジャンパーもドライバーもアスリートとしての身体能力、体をセンサーとして研ぎ澄まし、メンタルを高めて戦うために全てをシンクロさせて頂点を目指すというのは共通性があるとボクは考えます。モータースポーツにあまり興味のない方からの同意はいただけないかな。

小林陵侑選手の栄光とは逆に高梨沙羅選手のジャンプ混合団体ノーマルヒルの1本目失格にはビックリだった。数日前の個人競技で表彰台を逃し、失意から混合団体で期するものがあったはず。失格の原因がスーツの規定違反だったとのこと。スーツによって飛行中の揚力が上がりすぎないようにと体のサイズから一定の余裕しか許されていないが、2センチほど彼女のスーツが規定より大きかったらしい。
スキーだけではなくて、スーツも競技の道具という認識。高梨選手以外にも他国の有力選手も同じことで失格処分となっている。彼女が着用していたスーツは個人競技の時と同じものだったという。それでは以前は良くて、なぜ今回はダメだったのか…。競技前にチェックしないで、なぜ競技後にチェックするのか…。計測位置が異なっているなどその要因について報じられている。モータースポーツでもそうだけれど、競技運営団はいつ何時でも競技に使う道具を規定に合致しているかをチェックできることになっている。その点を考えると、チームのコーチや監督が配慮してあげるべきことがあったのではないかなと思う。メンタル面で最悪の状況ながら高梨選手は気丈に2本目のジャンプを行った。それを讃えたい。

2007年フォーミュラ・ニッポンの最終戦、鈴鹿でトップゴールしたのは小暮卓史選手だった。しかし、数時間後のシーズンエンドパーティーの直前に再車検の結果、失格となってしまった。そのアナウンスを聞き、呆然とする小暮選手と高梨選手がオーバーラップした。

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文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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