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モーター スポーツ コラム 2021年11月25日

<SGT最終戦>

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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昨シーズンのSUPER GTは劇的すぎるエンディングで幕を閉じた。 

10月の中旬から11月の初旬までの4週間は、Super FormulaとSUPER GTの4連戦でした。ポンコツの体に鞭打ってなんとか動き回っているピットリポーターとしては、その連戦を乗り切れるかとても、とても心配でした。4戦目が終わった時には体力も気力も残り数%という状態でした。乗り切れたことに自分を褒めてあげたいと思いました。本当に。そして2週間のインターバルがリニアモーターカーのように過ぎて、とうとう、この日が近づいてきました。毎年のことなのですが、ようやくこの時期に辿り着いたというよりも、もう来てしまったのかと思います。ワクワクしますし、ドキドキもします。連戦の最中にはあれだけ休みたいと思っていたのに…。ヤダヤダ。性(さが)です。でも、考えてみれば、それだからこそ40年以上もこの仕事を続けられてきたのかも知れません。

今週末は富士です。
そう、SUPER GTの最終戦です。
シーズンの中盤戦から第6戦位までは、ホンダのNSX1号車、ディフェンディングチャンピオンチームが連覇に突っ走ってしまうのかなとも思えました。それにしても、ホンダの強さ、特に1号車の巧みなレース運びは、他メーカー、他チームにとっては憎き存在だったでしょう。予選で下位に沈んでいても決勝でヒタヒタと上位に進出してくる。トヨタのあるチームのオーナーさんが、「クルマの性能以上に、あのチームは、レースが上手い。そして、あの小柄なエースドライバーの存在が大きいのかな…」と、小柄なのに存在が大きい???

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そうです、あのスーパー・ウルトラ・レーシング・アシモこと山本尚貴選手のことですね。昨年の最終戦、劇的な勝利。物凄くドラマチックでした。一つの勝利の影には常に敗者が居る。それは当たり前のことなのですが、昨年の結末について、勝利の女神はこれほど酷いエンデュングを用意していたとのかと思った。昨年、最終コーナーを立ち上がってガス欠状態になり失速して山本選手に追い抜かれて2ポイント差でチャンピオンになることができなかった平川亮選手は、今シーズンすでにチャンピオン争いから離脱しているけれど、今シーズンの有終の美を飾るために富士へ向かうと公言している。富士では、トヨタのスープラも強いだろう。日産のGT-Rは、最終年、最終レースを勝利で締めくくりたいと思っているだろう。各メーカー、各チーム、ドライバーの全てが各々の思いを抱いて富士へ向うのでしょう。

国内トップツーリングカーレースシリーズの2021年クライマックスです。

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文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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