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現在ランキングTOPのS.オジェ。
56th Rally RACC Catalunya-Costa Daurada,Rally de Espana 2021と言う長い名前のラリーは元来2つのラリーが合体したもので1991年にWRC参入当時はターマックとグラベルのミックスでした。ミックスラリーは参加者の負担が大きいため、FIAのラリー合理化方針によりターマックに統一されましたが、一方でラリーを面白くするため2010年からミックスが復活されました。しかし今回はコロナ禍にあってチーム体制を身軽にするため今年はターマック一本にされています。スペインのターマックは道幅が広く路面の状況がスムーズなので平均速度が高くコルシカと比べると状況が全く異なります。地中海地方は通常天候が安定しているものの季節の変わり目には不安定になることがあり、シーズン終盤の各車せめぎ合いで波乱が起きる可能性があります。
第10戦フィンランド終了時点の上位リーダーボードは、
オジェ:190pt、エバンス:166pt、ヌーヴィル130pt、ロバンペラ129pt、タナク:128ptとなっています。今年フル参戦の勝田選手は7位で68ptです。健闘していると思いますが初のフル参戦でポディウム、クラッシュ、コ・ドラの変更など様々なことを経験中です。よく頑張っていると思います。
メーカーポイントではトヨタ:441pt、ヒュンダイ:378pt、フォード:171ptとなっています。この状態で最終の2戦を戦うわけですが、トヨタはリタイア無しで安全運転、ヒュンダイは多少リスクを冒しても全開運転ということになります。ヒュンダイは地元のソルドの大活躍を期待していることでしょう。
来シーズンのトヨタチームのドライバー体制が明らかになりました。オジェは引退でなくトヨタチームに残り新型車の開発に協力するとともに3台目のラリーカーをラッピと交代でドライブすることになったようで、誰がどのラリーに出場するかはまだ決まっていません。エバンスとロバンペラが通年ドライバーになります。
引退を噂されたオジェは、ラッピとマシンをシェアし来季も参戦することとなった。
ヒュンダイチームの体制はタナク・ヌーヴィルと3台目をソルドとソルベルグがシェア。
フォードはヒュンダイからクレーグ・ブリーンが移籍。来年の技術規定の大変更に向かって動きつつあります。
ラリー・オブ・スペインの概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1(10/15) | 6 | 112.02 km | 548.57 km | 660.59 km |
L-2(10/16) | 7 | 117.54 km | 372.42 km | 489.96 km |
L-3(10/17) | 4 | 50.90 km | 208.84 km | 259.74 km |
Total | 17 | 280.46 km | 1129.83 km | 1410.29 km |
コンパクトな高速ラリーです。
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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