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モーター スポーツ コラム 2021年9月3日

【スーパースポーツ世界選手権 第8戦 マニクール:プレビュー】エガーター8勝目で圧倒的リード!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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77号車に乗るドミニク・エガーター(ヤマハ)

77号車に乗るドミニク・エガーター(ヤマハ)

排気量600ccのスポーツバイクによる戦い「FIMスーパースポーツ世界選手権」は2021年9月3日(金)〜5日(日)にフランスのマニクールサーキットで第7戦を迎えます。いよいよ折り返しの後半戦がここからスタートです。

チェコのモストサーキット、スペインのナバラサーキットと初開催のコースが続きましたが、マニクールは毎年開催されているお馴染みのコース。1周4.4kmのコースはいわゆるストップアンドゴーのレイアウトで路面は起伏が少なくフラットです。

近年、グランプリ(=ロードレース世界選手権)出身のライダーが数多く転向してきているスーパースポーツ世界選手権ですが、フランスGPの開催サーキットはル・マンのブガッティサーキットで、こちらはコースのアンジュレーションが大きいサーキット。性格が全く違うコース、マニクールは経験が少ないライダーも多いのです。

そんな中でマニクールで強さを見せるのが地元フランスのジュール・クルーゼル(ヤマハ)です。今年でスーパースポーツ世界選手権に参戦して9年目となる大ベテランというか、もはやこのカテゴリーのマイスターとも言えるライダー、クルーゼルは過去にマニクールで4勝。チャンピオン争いから脱落しかかっていてもマニクールでは勝つということもありました。

ただ、クルーゼルは昨年のマニクールラウンドを怪我で欠場。今季はまだ一度も優勝できていないという状態になっています。彼の所属チームは地元フランスの人気チーム「GMT94」。数年前まで耐久レースを主戦場にしていた名門チーム所属となっていますが、そろそろ勝ちが欲しいところ。今季ベストは3位表彰台が3回となっています。

そんなベテラン、クルーゼルをもってしても今季をリードする2人の争いは止められない状況です。ランキング首位はドミニク・エガーター(ヤマハ)=257点、そしてランキング2位はスティーブン・オデンダール(ヤマハ)=210点とエガーターが2連勝したことにより、両者の差は10点広がり47点となりました。

エガーターは今季からスーパースポーツ世界選手権に参戦している、いわばルーキーですが、ここまで8勝をマークし、さすがの走りを見せています。ただ、マニクールに関しては先に挙げたグランプリ出身のライダーであるため未経験なのです。一方でオデンダールは昨年からスーパースポーツ世界選手権に参戦し、マニクールでのレースを経験済み(ベストは4位)という点が若干のアドバンテージと言えます。この2人にクルーゼルら地元のライダーが絡んでいけるかどうかも見所と言えるでしょう。

チャンピオン争いはエガーターvsオデンダールの一騎打ちの様相を呈してきましたが、カワサキ勢にも一矢報いる走りを期待したいところ。しかし、ナバラでフィリップ・エッテル(カワサキ)は7位、6位と苦戦。ここ最近、カワサキ勢がなかなか上位に来ることができていません。

そんな中、前戦ナバラでは大久保光(カワサキ)が川崎祥吾の代役で参戦。今季はMotoEに参戦している大久保ですが、昨年まではスーパースポーツ世界選手権に参戦していました。ナバラで走るのは初めてだったにも関わらず、レース1をチームベストの12位で完走しました。大久保は今回のマニクールラウンドも続けて出場が決定。マニクールは最高位が5位(2019年)と相性の良いサーキットですし、この結果はカワサキ時代に記録されたものであるため、代役とは言え期待がかかります。

2021年シーズンもここまでヤマハYZF−R6が全戦全勝。少数派のカワサキZX−6R勢は3位表彰台が精一杯という状況。やはりこのままヤマハの独壇場でシーズンが進んでいくことになるんでしょうか?

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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