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【フォーミュラE・第12戦&13戦 ロンドン(イギリス):プレビュー】5年ぶりのロンドン!チャンピオンの可能性はまだ全員にあり
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシポディウムで勝利を喜ぶサム・バード
電気自動車レース「フォーミュラE」の第12戦、第13戦が2021年7月24日(土)25日(日)にイギリスのロンドンのエクセルエキシビションセンターで開催されます。今回はそのプレビューをお届けします。
さて、今回の舞台は5年ぶりの開催となるロンドンですが、シーズン1、2での開催以来5年ぶりとなります。前回はバッターシーパーク周辺の特設コースでの開催でしたが、今回はロケーションがモーターショーなどの展示会イベントを開催するホールです。周辺会場にコースを作るだけなのかと思いきや、なんとピットレーンやホームストレートはエクセルエキシビションセンターのホール内に設置され、室内と室外を両方使うという特別なシチュエーションでの開催となります。
国際レースイベントでは初となる室内外両用レースとなる「ロンドンE−Prix」。エキゾーストから出る轟音が響くエンジンのモータースポーツでは室内コースでのレースは不可能ですが、電気モーターで走るフォーミュラEでは実現可能。今まで誰も見たことがないコースでのモータースポーツが楽しめることでしょう。
しかし、初の試みである分、コースも全員が未経験で誰が勝つか、全く予測不能です。というより、「今季も」大混戦になっているので、そもそもどこのレースであろうと優勝予想をするのが難しい戦いになっています。
そんな中、シリーズをリードするのは前戦ニューヨークの第11戦で今季2勝目をマークしたサム・バード(ジャガー)=81点。そこからランキング2位にアントニオ・フェリックス・ダコスタ(DSテチータ)=76点、3位にロビン・フラインス(ヴァージン)=76点、4位にエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)=72点、そして5位にニック・キャシディ(ヴァージン)=70点。上位5人のポイント差は僅か11点という混戦です。
ここまで11戦が開催されたシーズン7ですが、11戦で得られる得点をフルマーク(全て獲得)すると330点もあるのに、首位のサム・バード(ジャガー)は僅か81点を得たのみ。
F1と比べてみるとよく分かります。F1は10戦終えて、フルマークで263点が満点なのですが、マックス・フェルスタッペンは185点も獲得しています。2位のルイス・ハミルトンも177点と、F1はトップチーム所属のドライバーが獲得ポイントをガッポリと掻っ攫っているのがよく分かりますね。
それに対してフォーミュラEは一部のチーム、一部のドライバーが独走し、大量ポイントを取り続けるのが難しいレースになっています。ランキング上位5人に近年次々と参入してきたドイツ自動車メーカー群のドライバーが一人も居ないというのが、その混戦ぶりを物語っています。
ただ、その分、チャンピオン争いという意味ではそのランキング、勢力図はガラリと変わっていく可能性もあります。残すところ今回を含めて4レースですから、フルマークは120点。これ即ち、まだ全員にチャンピオンの権利があるということです。
現実的な見方としてもランキング15位につけているジェイク・デニス(BMW)=54点あたりまで逆転チャンピオンに輝く可能性が大きく、ロンドンの結果次第となっていくでしょう。
そんな中でランキング上位につけるサム・バード、ミッチ・エバンスが所属する「ジャガー」、ロビン・フラインス、ニック・キャシディが所属する「ヴァージン」は母国レースと言えるので、ここで勝って最終戦の舞台、ベルリンに良い形で行きたいでしょう。
特に「ジャガー」は2016−17年のシーズン3から参戦していますから、自動車メーカーチームの中では古株の部類。最初のシーズンはなんとランキング最下位という、自動車メーカーワークスとしてはあり得ない位置からの船出でした。そこからミッチ・エバンスが2017−18年のシーズン4で初表彰台、2018−19年のシーズン5では初優勝するなど徐々に成績を伸ばし、頭角を現してきました。そしてフォーミュラEのレース巧者、サム・バードを迎え入れ、一気に躍進してきました。
「ジャガー」は今年、2030年までに全ての新車を全て電気自動車にすると宣言。昨年まではジャガー・I−Paceを使った「I−Pace Trophy」をフォーミュラEの併催で開催するなど電気自動車のモータースポーツを使ったプロモーションに最も積極的なメーカーです。
また、日本期待のニック・キャシディも前戦ニューヨークの第11戦で2度目の2位表彰台を獲得してランキング5位に浮上。チャンピオンの期待が高まってきますが、「ヴァージン」は今季まだ未勝利であるものの、チームランキングでは首位。アウディのパッケージを使うサテライトチームでありながら躍進しています。
まさにチャンピオン争いの流れを掴めるかはここで決まると言っても過言ではない重要な戦い。「ロンドン E−Prix」は絶対に見逃せない戦いです。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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