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WRC第6戦にて二朗さんの夢にまで出てくる快挙を達成した勝田 貴元。
先日、朝方にすごい夢を見てしまいました。
WRCで活躍している勝田貴元選手がホコリを巻き上げてタイムコントロールに入ってくる。そこでなんと、豊田章男社長と一緒にいて、社長が「素晴らしい!これぞスポーツ。クルマを鍛えるスポーツだ!」と叫んだ。「社長!賛成。大賛成」と答えるボク。力強く肩を組む社長とボク。と、その時目が覚めました。時計を見ると朝の5時。夢の中とはいえ、そんな行為をしてしまった自分を反省しています。ハイ。
ボクは、嫌なことがあると、それを根に持つタイプです。
根に持っているのはモータースポーツの統轄省庁の官僚さんが「モータースポーツは、興行でしょ?」と言ったこと。この小欄で6月初旬に書いたので、その内容は、ここでは割愛させていただきます。大昔にモータースポーツは究極のスポーツだと書いた記憶もあります。官僚の否定する言葉に、驚き、アッターキタ!(頭に来た)。だから根に持っています。夢の中で豊田社長も【これぞスポーツ】と叫んでいたのですから。
でも、少し落ち着いて考えました。究極のスポーツと思っていたのは、独りよがりだったのではないか、と。自分ばかりがそう思っていても、第三者が認めてくれなければ、意味がないですよね。素晴らしいスポーツだと思っていたら、日本を司る偉いさんには、全然理解されていなかった。アレーッ?ですよ。嘆いていただけでは、事は進まない。このコロナ禍で、思いがけずにわかった事実。この話をモータースポーツ界の人達に話すと、大体はビックリ。か、「役人なんて、そんなもんじゃないの」と半ば諦めムード。国内の近代モータースポーツの歴史は半世紀を過ぎて60年に及ぼうとしている。考えてみれば、モータースポーツ自体、黎明期には、お金持ちが自慢の自動車で競走したことが始まりだったのだから、スポーツとかけ離れていたのでしょう。独りよがり、仲間よがりだったのでしょう。でも、それが競技として発展、スポーツに昇華した。ゴーカートをドライブしたら【スポーツ】を感じられますよ。
オリンピック/パラリンピックイヤーに分かった、モータースポーツがどう認識されていたかということ。このまま独りよがりスポーツとして突き進むか。モータースポーツのスポーツ性をきちんと理解していただくために努力するか。どれだけの労力を必要とするか、どれだけの時間がかかるかは皆目見当がつきませんが、死ぬまでになんとかモータースポーツの【スポーツ】がキラキラと光り輝くようにしたいですよね。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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