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第2戦で1-2フィニッシュを決めたトヨタ8号車と7号車
先週の日曜日に世界耐久選手権(WEC)第2戦、ポルトガルのアルガルベサーキットで行われたレースの番組のお仕事をいただきました。ポルトガルといえば、エストリルサーキットには足を運んだことがあるのですが、アルガルベは知りません。WECの前にはF1が行われて、ドライバーには好評なサーキットであると聞きました。コーナーが多く、そのコーナーがけっこう周り込んでいて、車体右側のタイヤにかなり負担がかかっていましたね。フロントが厳しくて、リヤもそうですけれど、ブリスターが発生してしまって、トレッド面が剥がれ、壊れてしまっている映像も見られました。
第2戦でハイパーカークラスにデビューしたグリッケンハウス。
さて、結果はご存知でしょう。トヨタにとって世界耐久選手権100戦目のGR010が1-2フィニッシュ。8号車が開幕戦に続いて2連勝。現状ではトヨタのハイパーカークラス2台にアルピーヌがLMP1仕様のマシンで同じクラスで戦っていますが、トラブルが無ければ勝てるとはいえ、BOPはかなりキツいし、GR010は、モーターアシストはフロントだけで、それも時速120キロ以上じゃないと作動してくれない。低速からのコーナー脱出ではモーターは使えない。TS050と比較して車重が162キロ重くて、パワーは32%落ちている。開幕戦の結果から車重は26キロプラスされて電力パワーは5kw削られていた。アルピーヌに対するアドバンテージは、給油回数の少なさ。あとは、7号車と8号車のチーム内勝負。
お気づきの方もいらっしゃるでしょう、8時間のレース途中で7号車と8号車はピットからの指示で順位を入れ替えていました。どのような理由で順位を入れ替えていたのか。番組の途中ではその理由がわからずに憶測ばかりが頭の中でグルグル。ポイント争いなどでチームオーダーとして順位を入れ替えることがかつてありましたが、今やそれは禁止されています。それでは何故?
ゴールした直後にセバスチャン・ブエミ選手がインタビューでその理由をチームの決定だからという意のコメントをしていました。そして、翌日の月曜日に中嶋一貴選手が「チーム内で順位を争い接触などのトラブルを引き起こさないために、その時点でペースの良いクルマが前に行くというチーム内決定があった」と明かしてくれたのです。納得ずくだったら良いのだけれど、これをWECのオーガナイザーは、どこまで認めてくれるのかとても興味がありますね。チームメイト同士の接触はよくないのは当然だけれど、コンペティションの部分ではどうでしょうね。多分、チーム内ではサーキットのあるセクションでの計測値を見て順位入れ替えの判断をして指示を出していたのでしょう。さて、この順位入れ替えは、今後はどのようになるのか注目ですね。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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