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モーター スポーツ コラム 2020年12月18日

2020インタープロト&KYOJO CUP|ふたつの初優勝に湧いた第3大会

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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福住仁嶺(#37 K-Design)

7月に開幕した「2020インタープロトシリーズ powered by KeePer」と「2020KYOJO CUP Supported by MUSSE PLATINUM」は後半戦の第3大会を迎え、これまでと同様に熱戦が繰り広げられる。

11月23日(月・祝)に行われた第3大会は、これまでの2大会とは打って変わり晴天に恵まれ、予選から接戦のバトルが展開された。

そんな中、激戦を極めるインタープロトシリーズでは、開幕大会は坪井翔(#32 GR GARAGE YOKKAICHI)、第2大会は阪口晴南(#3 INGING MOTORSPORT)が制したが、この第3大会で速さをみせたのが福住仁嶺(#37 K-Design)だった。

今回も公式予選は0.001秒を争う大接戦となったが、その中でいち早く好タイムをたたき出したのが福住。1分44秒994で2大会連続となるポールポジションを奪うと、決勝レースでは序盤こそ後続に追い詰められるシーンもあったが、レース後半にかけて徐々に差を広げていき、第5戦で初優勝を飾った。続く第6戦でもスタートからしっかりとトップをキープ。2番手以下でバトルをしている隙に逃げを打ち、2連勝を飾った。

連勝を果たした福住仁嶺(#37 K-Design)

昨年の途中からインタープロトに参戦を開始している福住だが、ここまで“あと一歩”という悔しいレースが続いていたが、今シーズンは第2大会の鈴鹿でポールポジションを獲得するなど、上り調子。そのパフォーマンスの向上が今回のレースで存分に活かされた。

福住自身も「練習走行の時からの良い流れを崩さずに、予選でポールを獲って、一番前からスタートできたというのが今回の勝因だったのかなと思います。最近はすごく調子が良くて、チームの皆さんの努力のおかげです。そこにはすごく感謝しています」と安堵の表情を見せていた。

これで2番手以下を大きく引き離してランキング首位となった福住。最終大会ではシリーズチャンピオンをかけた争いが待っている。「最終戦は年を跨いで1月の開催ですが、また今回のようなレースができればなと思っています」福住は気を引き締めていた。

同じ日に開催されたKYOJO CUPでは新たなヒーローが誕生した。これまでは第1戦を制した翁長実希(#37 KeePer VITA)、大雨の第2戦を制した三浦愛(#38 Ms. Legarsi with YLT VITA)が今回も最有力候補かと思われたが、予選で彼女たちを上回る速さをみせたのが、今季から同シリーズに参戦したている猪爪杏奈(#86 Dr. DRY VITA)だった。

猪爪杏奈(#86 Dr. DRY VITA)

予選では早々に三浦が2分00秒970をマークしトップに立つが、それを猪爪が0.4秒逆転する2分00秒581を記録。強力なライバルを差し置いて自身初のポールポジションを勝ち取った。

決勝レースでは、好スタートを決めて、一時はトップ争いに加わった翁長が反則スタートのペナルティを消化しなかったとして失格となるというハプニングもあったが、猪爪は波乱の展開にも動じることなく自分の走りを徹底。終盤は三浦に対して3.8秒のギャップを築いて最終ラップに突入した。

ただ、コックピット内の猪爪は全く油断できる状態ではなかった。残り半周というところでガス欠症状が出てスピードが伸びない。3.8秒あった三浦との差はみるみるうちに縮まっていったが、なんとか最後まで大きなスローダウンすることなくチェッカーを受け、見事KYOJO CUP初優勝を飾った。

迫る三浦を振り切った猪爪杏奈(#86 Dr. DRY VITA)

過去のレースを振り返ると、初優勝の際はパルクフェルメで嬉し涙を流すKYOJOドライバーの姿があったが、猪爪は満面の笑みでマシンを降りた。

「絶対に勝てるとは思っていなかったですけど、バトルになった時は冷静な展開を心がけるようにしていましたし、逃げ切れるなら逃げ切ろうと思っていました。最終ラップにガス欠症状が出た時は正直『終わったな……』と思いました。もし、あれであと1周あったらダメだったかもしれません。そういう意味でチェッカーフラッグを見た瞬間にホッとしたという感じでした。こうして、予選も決勝も三浦選手の前でいるということは、すごく価値のあることだと思います。次回もそこを狙っていきたいですし、またイチから練習をして、チームのみんなと一緒に良いクルマを作っていきたいです」

猪爪は、このレースの前日に行われたツインリンクもてぎでのスーパー耐久第4戦にも参戦予定だったが、KYOJO CUPに専念するために、S耐は欠場。事前の練習走行からしっかりと走り込んでいた成果があらわれた1戦だった。

この第3戦が行われるにあたり、新たにスポーツ庁がKYOJO CUPを後援することとなり、2020シーズンのチャンピオン獲得者には文部科学大臣賞が授与されることが発表された。

残すは来年1月の最終戦のみ。その栄冠を誰が勝ち取るのか? こちらも最後の瞬間まで目が離せない。

【放送情報】
インタープロトシリーズ&KYOJO CUP第3大会の模様をハイライトでお送りいたします。

初回放送:12/21(月)午後9:30~ J SPORTS 3 / J SPORTSオンデマンド

詳しい放送予定は https://www.jsports.co.jp/program_guide/05/06/87477_3236396/

番組サイト https://www.jsports.co.jp/motor/inter_proto/

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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