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モーター スポーツ コラム 2020年12月4日

2020スーパーフォーミュラ第5戦・第6戦プレビュー|コースレコード更新なるか?見どころ満載の“鈴鹿ダブルヘッダー”

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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今シーズン初となる鈴鹿開催。ダブルヘッダーで見どころ満載だ。

先週末でSUPER GTは2020シーズン全てのレースが終了したが、スーパーフォーミュラはこれからがチャンピオン争いが本格化というところ。今週末は鈴鹿サーキットで第5戦と第6戦の2レースが行われる。

当初は4月初旬の開幕戦と10月下旬の最終戦という形で年間2回開催されている鈴鹿ラウンドだが、今年は新型コロナウイルスの影響でワンデー開催を2日連続で行うという異例のスケジュールとなった。

今シーズンはコロナ禍の影響で来日の目処が立たず参戦できないドライバーが何人かおり、その都度代役参戦のドライバーが登場するケースが見られ。今回の鈴鹿大会は概ねレギュラードライバーが顔を揃えたが、50号車のBuzz Racing with B-Maxでセルジオ・セッテ・カマラに代わって松下信治がドライブすることとなった。

急遽参戦した第4戦では予選はQ3進出、決勝レースでは6位入賞。チームに今シーズン初ポイントをもたらした松下信治。

週末の流れとしては、これまでと同様に1日で予選と決勝を行うワンデー開催となり、今回は土曜日に第5戦、日曜日に第6戦と2戦分開催。どちらのレースとも決勝は30周で争われ、途中1回のタイヤ交換義務(10周目以降)がある。

さらに今回からは、タイヤの事前加熱が限られた方法でのみ認められることとなった。基本的にスーパーフォーミュラではタイヤウォーマーの使用が禁止されているのだが、今年は12月にもレースを開催することになり、低い気温と路面温度でタイヤのウォームアップも時間がかかってしまう。そこでシリーズプロモーターである日本レースプロモーション(JRP)は安全性を考慮して、今大会からタイヤウォーマーの使用を指定した方法でのみ許可するというルール変更を行った。

異例のスケジュールとなった今シーズン。これからの時期はタイヤの温度対策も需要な戦略となってくる。

通常、タイヤウォーマーと聞くとF1のようにそれぞれのタイヤを覆うようにして加温する「ブランケット方式」が有名ではあるが、今回はそれの使用は認めれず、テントもしくはハウス状の中にタイヤを入れてジェットヒーターなどで加熱するする「ハウス方式」が採用されることになった。

これにより、暑い時期と同様に早いタイミングでタイムアタックができるようになることが見込まれているほか、タイヤが冷えている状態でコントールを失ってクラッシュしてしまうというリスクを低減する働きも期待されている。

ただ、現在のスーパーフォーミュラはタイヤのウォームアップの良し悪しで予選結果が大きく左右されるシビアな戦いが繰り広げられている。それだけに、このタイヤウォーマーを使ってのウォーミングアップをどのようにするかという部分も、今週末の勝敗を分けるひとつの鍵と言えるだろう。

もうひとつの大きな変更点は、決勝レース中に使用できるオーバーテイクシステムだ。第5戦に関してはこれまでと変わらず1人あたり最大100秒間使用が可能なのだが、日曜日の第6戦のみ1人あたり200秒まで使用できることとなった。つまり、レース中に使用できるチャンスが単純に2倍になるということで、接近戦でのバトルの際やピットストップでの逆転を狙っている車両にとっては、かなり影響が出てきそうだ。こういった細かい変更点に対して、各チーム・ドライバーともどのように対応してくるのか。非常に注目である。

2017年開幕戦・鈴鹿での中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)

2020シーズンのスーパーフォーミュラも残り3戦ということで、チャンピオン争いも目が離せないのだが、今週末の鈴鹿大会で大きな見どころのひとつとなってきそうなのが“コースレコードの更新”だ。現在の鈴鹿でのスーパーフォーミュラのコースレコードは2017年に中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が記録した1分35秒907だ。実はそれ以降はコンディションの影響もあって、SF19になって以降もコースレコードを更新することができていない。ただ、公式テストなど“非公式”という形では、1分35秒前半のタイムが何度もマークされている。その中で最も速かったのは2017年3月の公式テストでアンドレ・ロッテラーが叩き出した1分35秒163。昨年12月の合同・ルーキーテストでは福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分35秒190をマークしており、いずれも1分34秒台に迫るタイムが記録された。

1分34秒台といえば、アイルトン・セナやアラン・プロスト、ナイジェル・マンセルらがF1で活躍していた1990年代初頭のポールポジションタイムに匹敵する。その時のコースレコードは1991年にゲルハルト・ベルガーがマクラーレン・ホンダで記録した1分34秒700。そこから約10年間は破られることのない鈴鹿最速ラップとして、当時のモータースポーツファンに記憶された。それに迫るタイムが、今週末スーパーフォーミュラで叩き出されるかもしれない。

ただ、鈴鹿サーキットは路面コンディションだけではなく、風向きの違いもラップタイムに大きく影響するため、一概に今週末にコースレコードが更新されるとは言い切れないかもしれないが、F1日本GPも開催され、世界中から人気の高いコースとして知られる鈴鹿で記録を残したいと思っているドライバーは少なくないだろう。さらに今年のスーパーフォーミュラではポールポジション獲得者には3ポイントが与えられる。そういう部分においても、より激しいタイムアタック合戦が今週末は展開されそうだ。

例年以上に目が離せない“鈴鹿のダブルヘッダー”。今回は土曜日も予選・決勝があるので、お見逃しなく。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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