来てます

SUPER GT第7戦にてホームコースのもてぎで1-5位を独占したNSX。

来てますよね。
来てます、来てます。
確実に来てます。

超魔術のMr.マリックではなくて、ホンダです。

先週末は、熊本との県境に近い阿蘇の外輪山にある大分県のオートポリスでSUPER FORMULAの第4戦が行われましたが、表彰台を独占したのはホンダエンジンを駆るチームとドライバーたちでしたね。昨年の最終戦以来の優勝を飾った野尻智紀選手は、一週間前にもSUPER GT、ツインリンクもてぎ戦で優勝しているので、2週連続の優勝ドライバーとなった。

レースが終わって、メディアセンター横の通路を歩いているとトヨタエンジンを供給しているTRDの現場責任者の方と会った。「ホンダ、来てますね」と声をかけると「そうですね、頑張るしかないですね」と固い表情で足早に去って行った。

もてぎでは、史上初のNSXトップ5独占。GT500クラスに参戦しているすべてのNSXが上位を独占した。本田技研工業の社長が訪れていて、その御前で成し遂げられた快挙だったので、ホンダ勢の喜び様はすごかった。

SUPER GTもSUPER FORMULAも基本は同じ2リッター、4気筒＋シングルターボエンジンを使用している。 NIPPON Racing Engine＝NREはコンパクトでパワフルな世界的にみても逸品エンジン。両シリーズ共にシーズンの前半戦はトヨタがリードしていた。しかし、その状況の中でもホンダの予選における＜伸び＞が注目されていた。それが決勝レースにおいても速さと強さをアピールしている。まさしく、ホンダが巻き返してきている。あるトヨタ系のドライバーが、「コーナーで追いついてもストレートで離された。ホンダエンジンは、速くなっている」とコメントしていた。

SUPER FORMULはまだ半分しかシリーズが消化していないし、今年はBEST5の有効ポイント制となっているので、ランキングの行方はまだ全くわからない。しかし、SUPER GTは、富士スピードウエイで行われる最終戦を残すのみ。富士は、トヨタのホームグランドで、GR Supraが優勢と見られているけれど、このところの動静を見ているとホンダがひたひたと＜来ている＞。GR Supraのトップ5独占から始まった2020 SUPER GTのクライマックスは様相が確実に変わって来ている。

最終戦まで大混戦となっているSUPER GT。富士の地でもホンダは速さを見せることができるのか！？

先週末は、季節外れの暖かさを九州の山の上で体験。セッティングを間違えてHテックの上下をレーシングスーツの下にきこんでいたので、汗かきました。再来週の富士も暖かいことを願っています。

文：高橋 二朗