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モーター スポーツ コラム 2020年10月5日

2020年WRC第6戦サルディニアラリー “もう一度ラフグラベルでスプリント戦”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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昨年は第8戦の舞台となったサルディニア。

前回のトルコは予想以上に一線級のドライバーにトラブルが発生し、大混乱となりました。コロナ対策でSS距離が短縮され悪路と知りつつ、スプリント走行せざるを得ない環境でパンクやメカニカルトラブルが発生。複数の上位入賞を狙ったトヨタとヒュンダイがエースのオジェ、タナクを失う中、冷静に走ったトヨタのエバンスが優勝、若輩ロヴァンペラが4位に入りました。ヒュンダイはヌーヴィルが持ちこたえて2位、ローブがピンチヒッターの役をこなして3位に入りメーカーポイント獲得に貢献しました。

波乱の展開となったラリー・ターキー。エバンスは今季最初の2勝目達成者となった。

この結果あと2戦を残してドライバーポイントではエバンス(97)、オジェ(79)、タナク(70)、ロヴァンペラ(70)、ヌーヴィル(65)となりました。メーカーポイントではトヨタ(174)、ヒュンダイ(165)、フォード(101)でトヨタとヒュンダイの一騎打ち状態です。

サルディニア島は地中海の保養地ですが、ラリーコースはトルコに劣らぬ荒れた路面で浮き砂利やガレキでスタート順が若い順に不利となります。2回目走行からはガレキ状の石が露出するのでコーナーカットには充分注意が必要でしょう。ミッキー・ジャンプと呼ばれる周期が短い、角度の大きいジャンプが多数有り着地時の姿勢や足回りのトラブルに留意する必要があります。ウオーター・スプラッシュ時の電気系統の故障も気になるところです。

トルコに引き続き、難コースがドライバーを待ち受ける。今回も波乱の展開となるのか!?

今回のサルディニアはコロナ問題の制約をうけWRC規定のSS距離300キロでなく縮小の
239キロ(SS本数16)で行われます。通常は車を労わりつつ頭脳的に走行すべきところ、少しでも差をつけるために目一杯スプリント走行せざるを得ない環境に追い込まれます。
トルコのようにトラブル続出となるのでしょうか。

エントリーリストを見ると、トヨタはエバンス、オジェ、ロヴァンペラ、に加え勝田を加え4台体制。ヒュンダイのエントリーは極めて戦略的でタナク、ヌーヴィルに加え3代目は優勝経験者のソルドを参加させます。トルコでのローブのようにメーカーポイントの獲得と自分が上位に食い込むことによりライバルであるトヨタのポイントを減らす目的です。

話題作りですが、昔スバルで大活躍したペッター・ソルベルグがアンドレアス・ミケルセンをコ・ドライバーにしてシトロエンC3WRCで参加します。
ラリー概要は次の通りです。

  SS本数  SS km Liaison km Total km
L-1(10/9) 695.25 km419.08 km514.33 km
L-2(10/10)6101.69 km397.34 km499.03 km
L-3(10/11)441.90 km143.89 km185.79 km
Total16238.84 km960.31 km1199.15 km

L-3は中間サービス無しです。

文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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