3か月遅れてル・マン24時間開催。 トヨタの3連覇なるか？

ル・マン24時間レース 2020

プロトタイプカーとGTマシン、4クラスの混走による世界耐久選手権（WEC）の2019-2020シーズン第7戦となる「第88回ル・マン24時間」は、新型コロナウィルス感染症（COVID-19）の影響で当初予定されていた6月から3か月遅れた9月19〜20日に決勝レースが行われる。

その公式練習、予選の模様はJ SPORTSオンデマンドでLIVE配信、また決勝レースの模様はJ SPORTSとJ SPORTSオンデマンドでも24時間完全生中継する。またJ SPORTSでは「ル・マン24時間レース2020ライブビューイング」として、9月20日20時〜22時30分に全国21の劇場で上映する（有料）。

ル・マン24時間が開催されるサルト・サーキットは、フランス西部のサルト県の県庁所在地である古くからの町、ル・マン市にあり、一周約13kmのコースのうちテルトル・ルージュからユノディエール、インディアナポリス、さらにミュルサンヌといったコーナーを経てポルシェコーナー手前までは公道を使用する。公道の部分はほぼフラットではあるが、パーマネントコースの部分には多少のアップダウンもある。

コースを自転車で試走するトヨタのドライバーたち。通常は一般道のためレース前は普通に自動車が走っている。

1923年に第1回大会が開催された伝統のクラシックイベントだが、今年はCOVID-19の影響で無観客とされ、また17日（木）に2本のフリープラクティスと予選1回目、18日（金）に2本のフリープラクティスと予選2回目、そして19日（土）の14時30分（日本時間21時30分）にスタートするなど例年と異なるスケジュールとなっている。このため、公開車検や金曜日の市内パレードも行われない。そして今年の出走台数は、LM P1クラスのチームLNTがエントリーを取りやめたため、59台になることが発表された。

今季はこれまでの6戦で7号車（ホセ・マリア・ロペス／小林可夢偉／マイク・コンウェイ）が3勝でポイントリーダー、8号車（ブレンドン・ハートレー／中嶋一貴／セバスチャン・ブエミ）が1勝でランキング2位につけるなど、シリーズ3連覇に向け着実にポイントを加算している。ル・マン24時間レースだけを考えても、大会3連覇を今年も1-2フィニッシュで飾りたいところだ。

LM P1クラスは、トヨタガズーレーシングの2台、レベリオン・レーシングの2台、バイコレス・レーシングの1台と計5台のみ。トヨタが狙うのはもちろん1-2フィニッシュでの優勝だが、通算6度目のポールポジションも狙っている。また小林を擁する7号車もぜひ初優勝を遂げたいところだろう。

3連覇を狙うTOYOTA Gazoo Racing 。7号車は昨年の雪辱を果たす走りを見せて欲しい。

24台がエントリーするLM P2クラスで注目されるのは、21号車ドラゴンスピードUSAをファン-パブロ・モントーヤがドライブすること。また50号車リシャール・ミル・レーシングチームは今年スーパーフォーミュラにも参戦するタチアナ・カルデロンら女性ドライバー3名での挑戦となる。

LM GTE PROクラスは、2台のフェラーリが加わり全8台がエントリー。82号車リシ・コンペティツィオーネ（フェラーリ）にはセバスチャン・ブルデーの名前もある。

山下健太（33号車　ハイクラスレーシング）のル・マン初挑戦にも注目したい。

LM GTE AMクラスは22台がエントリー。残念ながら関口雄飛の参戦はなくなってしまったが、LM P2クラス同様20台を超えるマシンのバトルは見ものだ。

2年連続の参戦となるカーガイレーシング。関口雄飛の参戦は叶わなかったが、初の表彰台獲得を虎視眈々と狙っている。

観客不在のル・マン24時間レースは、どんな結末となるのだろうか？

文：皆越 和也