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“ピンチヒッターの高速ラリー”
暫くぶりのコラムです。ご承知のとおり全世界中に大混乱をもたらしたコロナ・パンデミックによりWRC全14戦のシリーズが第3戦メキシコでストップし、コロナ蔓延とともに予定されたイベントが続々キャンセルとなりました。何もなければ今頃は第10戦ニュージーランドまで進んだ頃でした。キャンセルされたイベントのうち久方ぶりに復帰したサファリ、そしてジャパンの主催者は特に残念なものでした。このままで行くとWRC選手権そのものの意味が問われるのでFIAはピンチヒッターを登場させ危機を乗り越えようとしています。ヨーロッパ選手権からエストニアとベルギーのイープルを加え今年は8戦のシリーズを組み、8月21日に発表しました。
第4戦 エストニア 9/4-6
第5戦 トルコ 9/18-20
第6戦 イタリア 10/8-11
第7戦 ベルギー 11/19-22
3戦終了までのポイント・スタンディングは次のとおりです。
(ドライバー)
1.オジェ(トヨタ)62
2.エヴァンス(トヨタ)54
3.ヌーヴィル(ヒュンダイ)42
4.ロバンペラ(トヨタ)40
5.タナク38
(メーカー・チーム)
1.トヨタ:110
2.ヒュンダイ:89
3.フォード・Mスポーツ:65
以前から国際大会が開催されてきたエストニア。2019年はWRC招致大会として開催され、WRCの全マニュファクチャラーが参戦。トヨタ・ヤリスWRCは総合優勝を遂げた。
さて、第4戦が行われるエストニアはバルト海とフィンランド湾に接する北欧の小国で人口約134万人、1,500以上の島々からなり多様な地形で岩場の海岸、原生林や湖に恵まれています。首都はタリンで美しい旧市街があります。私はこの街に行ったことがありますが、そのときはラリーの仕事ではありませんでした。路面はフィンランドに似て固いグラベルでジャンピングも多いハイスピードタイプです。北欧ドライバーに好まれます。
エストニアの国民的英雄タナク。初の母国開催で優勝を期している
この国でのラリーの歴史は結構長くFIAヨーロッパ選手権の常連メンバーです。タナク選手の出身地で彼は国民的英雄です。ここ数年WRC参入の運動をFIA内部で進めて準備していましたが、たまたま今回コロナによる他のラリーのキャンセルのためその幸運を掴む結果になりました。最終戦ベルギーも同じ理由です。
エントリー60台のうちWRカーの参加はトヨタが勝田選手を含め4台、ヒュンダイも4台、フォードは3台です。
トヨタの勝田選手はフィンランドに居を構えていますので地元に近い環境で走れるので他のラリーに比べて上位を狙いやすいと思います。期待しましょう。
ラリーコースの設定は、この大会がERC(ヨーロッパ選手権)格で設計されているためSS距離がWRC規定の300キロに達していません。競技日程も金曜日夜のSSSを除けば2日間です。ラリー概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1(9/4-5) | 11 | 147.68 km | 367.28 km | 514.96 km |
L-2(9/6) | 6 | 84.96 km | 271.97 km | 356.93 km |
Total | 17 | 232.64 km | 639.25 km | 871.89 km |
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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