百聞は一見に如かず

大きな声で、そして力強く（男らしく）白状します。
『プレイステーションを代表とするクルマを操るデジタルゲーム、エレクトリックゲームがとてつもなく下手です』 下手だけなら良いのですが、やっていて途中で気持ちが悪くなって来てしまうのです。先日のオンディマンド収録中に脇阪寿一監督に＜気持ち悪くなるのは単純に目がついていっていないから＞と指摘されたのですが、異論があります。目がついていっていないのは、正しいか、も、しれませんが、それ以上に実車の動きと体に感じるであろうG（グラビティ）＝重力が加わって来てくれないので違和感があって、それを脳内で修正していてだんだんと処理しきれなくなって、気持ち悪くなってくると・・・。目よりも、脳内処理能力、パソコンでいうCPUの容量が不足しているのだという結論に至っています。

さて皆さん、先日のスーパーフォーミュラ2020　ヴァーチャルシリーズ　スペシャルラウンドをご覧になりましたか。これは、凄いと見入ってしまいました。そして、現役のトップドライバー達がe－Sportsでも物凄い順応性を発揮してハイレベルな戦いを演じてくれることに感動しました。

お詫び1：現在のプレイステーションは、ゲームと表現するよりもシミュレーターですよね。
お詫び2：トップドライバー達だって、e－Sportsに慣れていなければ、とっ散らかるのがオチと思っていましたが、そうではありませんでした。

設定コースは、オートポリス。
まず、一台ずつコースインしてタイムアタックする予選において、今シーズンのルーキードライバーの一人、大湯都史樹選手が、1分23秒939というタイムを叩き出しています。このタイムは、実際のコースレコードタイム1分25秒937（2018年第2戦 平川　亮選手）を約2秒更新した。他のドライバーも自身の同コースのタイムを殆ど更新していました。それは、実車では、コースアウト、クラッシュしてマシンが大破してしまうというリスクがe－Sportsではないので、限りなくリミットまで攻め込む走り、操作ができるから。後日に複数のドライバーに電話取材して確認できました。そして、決勝では、ピットイン義務、タイヤの摩耗によるグリップダウンを考慮すること燃費選択スイッチを操作によるパフォーマンスと燃費を計算した作戦を考えなくてはならないという実戦さながらのレース展開が繰り広げられたのです。

実況のピエール北川MCが、「実戦を実況しているようにのめり込んでしまった」とコメントしていたように、ご覧いただければ、そのレベルの高さに驚くと思いますよ。そして最新のプレイステーションの目を見張る映像の素晴らしさ。決勝は、最後の最後まで勝敗がわかりませんから、ちゃんとフィニッシュまでご覧くださいね。これこそ百聞は一見に如かずです。

約10年前に中野駅近くの中野ブロードウエイ1Fのゲームセンターでトップを走行していたのにゴール直前で2位を走行していたモータースポーツ番組制作会社のAプロデューサーに万歳アタックを受けて勝てなかった。その悔しさのあまり、e－Sportsは二度とやるものかと思っていました。しかし、今回のヴァーチャルシリーズを見て、その凄さから復帰の意欲が少しムクムクと・・・。

・大会レポートはこちら（スーパーフォーミュラ　オフィシャルサイト）
https://superformula.net/sf2/headline/22760

・大会の模様はJ SPORTSオンデマンドにて絶賛配信中！
https://jod.jsports.co.jp/p/motor/super_formula/86963-V

文：高橋 二朗